- 作者: 神林長平
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2000/02
- メディア: 文庫
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万能著述支援用マシン“ワーカム”に『言語空間が揺らぐような』文章の支援を拒否された小説家・解良翔。友人の古屋は解良の文章の危険性を指摘する。その文章は,通常の言語空間で理解しようとすると,世界が崩壊していく異次元を内包しているのだ。ニューロネットワークが全世界を繋ぐ今,崩壊は拡大されていく…第16回日本SF大賞受賞作品。
メタ小説。言語のありようについてさまざまな角度から論じられている短編集。
文法「綺文」であったり嗅覚「似負文」だったりと本当にバラエティに富んでおり、文章や物語の世界が揺らぐことで読者が構築してきた言語世界を根底から揺らがせ、崩壊させることによってカタルシスを与えるという神林長平の特長が最も顕著にわかる作品であると言えるだろう。これだけ何度も繰り返されると、ほんとうに酔っ払ったみたいになる。まさにセンスオブワンダーでした!