ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

まとめ

5月の読書メーター読んだ本の数:16冊読んだページ数:2133ページAURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)久々の徹夜本。青春ライトノベル。『ゼロ年代の想像力』へのアンサーフィクションであり、レイプ・ファンタジーの構造からフィクション本来の「力」…

伊藤計劃は終わらない!語り継げ!

彼が虚空に打ち放った拳は、確かにぼくを抉る。 その傷が確かに彼が生きていた、という証明になる。 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者: 伊藤計劃出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/06メディア: 単行本購入: 26人 クリック: 817回この…

侵襲型デヴァイスの蓋然性

『サイエンス・イマジネーション』を読んでようやく、『ハーモニー』のコンタクトレンズや『電脳コイル』の電脳メガネの設定/非侵襲型ウェアラブル・デヴァイスがとても理に適っている、というかさすがにまだ人は頭に電極をぶっ差してまでネットにつながろ…

『彼女の闘い、灰の街』

ぼくたちの街にはなんにもなくて、ぼくたちの街には四つの書店があった。あえて名前をつけて呼ぶほどのものは書店しかなくて、だからぼくたちの街にはきっと書店があって、たぶん他にはなんにもなかった。 ぼくたちが書店と呼んでいた書店は大きく二つにわけ…

うぉん。

して下さい、っていうのは敬語だとしても、命令です。 いや、いいんですよ、システムを維持するためには必要な措置なんでしょう。わかります。ええ、われわれは犬です。それもわかります。 ただまぁ結局そのシステムにもう価値が見い出せないってのが問題な…

『ディパーテッド(2006)』マーティン・スコセッシ

ディパーテッド (期間限定版) [DVD]出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ発売日: 2007/06/08メディア: DVD クリック: 14回この商品を含むブログ (50件) を見る うーん、おもしろかった。 まず状況を困難なものに設定してから二転三転するは足の引っ張…

『ぢごぷり』木尾士目

ぢごぷり(1) (アフタヌーンKC)作者: 木尾士目出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/05/22メディア: コミック購入: 4人 クリック: 59回この商品を含むブログ (87件) を見る 木尾士目の新作です。 萌え絵で育児のハウツウを装っておきながら、その下でうごめく…

『無限のリンケージ』あわむら赤光

無限のリンケージ ―デュアルナイト― (GA文庫)作者: あわむら赤光,せんむ出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2009/05/15メディア: 文庫 クリック: 29回この商品を含むブログ (22件) を見る 「ロバートさんは――無敵です」 宇宙時代の決闘競技…

GREEN DAY『21st CENTURY BREAKDOWN』

21st Century Breakdownアーティスト: Green Day出版社/メーカー: Warner発売日: 2009/05/15メディア: CD購入: 3人 クリック: 40回この商品を含むブログ (55件) を見る 買ってきた。一通り聴いたのだけれど、まぁあいかわらずどの曲を聴いてもGREENDAYだなぁ…

創元SF短篇賞(仮称)の発表

SFセミナーではちらっとアナウンスされたんですが、この刊行に合わせて、前々からやろうやろうと言ってたSF短篇の新人賞、創元SF短篇賞(仮称)の募集がスタートします。第一回の締切は年明けかな。選考委員は日下三蔵と大森望の予定。受賞作は来年度…

北方謙三『擬態』

擬態 (文春文庫)作者: 北方謙三出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/11メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (30件) を見る 檻から出て、毀れていき、毀れきった男の小説。言うまでもなく傑作。 男がいた。 男がいる、ではない。いた、だ。 …

ライトノベル批評の批評

おれはあんまり他の人の記事を引用しないのですが、これは大切なことなのでエントリを立てました。 http://joekidf.tumblr.com/post/106939367/half-moon-diary ここで言及されている「ライトノベルの定義」や現在の状況分析を踏まえた上で、この先の新しい…

『ベンダーの当たりから』

彼の頭上から軽快なファンファーレが降ってきた。お茶のボトルを取り出すと、彼はかがめていた腰を伸ばした。目前で電光掲示板が「30秒以内ニボタンヲオシテクダサイ」と表示している。「当たったのか」彼はちょっと迷ってゼロカロリーのコーラを選んだ。ラ…

なんだかんだ言って

昨日のエントリが今までで、一番スターが多いっていう。

カズオ・イシグロ『日の名残り』

日の名残り (ハヤカワepi文庫)作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2001/05メディア: 文庫購入: 17人 クリック: 190回この商品を含むブログ (264件) を見る 最高の英国執事萌え小説。スティーブンスの「品格」あ…

第八回 文学フリマ

というわけで行ってきました。ほんとうに楽しく、ダイアラーの中の人との出会いの1日でした。 とりあえず購入したものを列記。KASUKAも原稿を寄稿させてもらった葦書院(http://d.hatena.ne.jp/Asi/)さんの『Asi 創刊号』、Rさま専用『アラザル02』、『界遊…

いまさら読んでいるのだけれど

サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ作者: 瀬名秀明,山田正紀,堀晃,円城塔,飛浩隆,小松左京出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2008/08/25メディア: ハードカバー購入: 15人 クリック: 267回この商品を含むブログ (32件) …

クリントン・イーストウッド『グラン・トリノ』

レイトショーで観てきた。 クリントン・イーストウッドの偏屈なじいさんぶりがすごくよかった。 なんか、こういう風な生き様でありたい、っていう願望充足お涙頂戴的な展開のはずなのにどうしたってそんな感じにならないのは、軽口がとてもたのしいのかなぁと…

さらに宣伝

直接面識があるわけではないのですが、KASUKAが学生の頃に所属していたサークルの前身となったSF研究会*1に所属されていた先輩が、ライトノベルでデビューなされたということで告知をば。無限のリンケージ ―デュアルナイト― (GA文庫)作者: あわむら赤光,せ…

文学フリマにほんのり参加

出版評論サークル・葦書院(http://d.hatena.ne.jp/Asi/)さんの『Asi 創刊号』の企画記事「書店員の履歴書」に本名名義で寄稿させていただきました。お誘いいただき本当にありがとうございました。今回は「書店特集! メガネ男子たち入魂の一冊ですよ!」と…