ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

2月の読書のまとめ

読んだ本の数:8冊


超動く家にて 宮内悠介短編集 (創元日本SF叢書)

超動く家にて 宮内悠介短編集 (創元日本SF叢書)

■超動く家にて 宮内悠介短編集 (創元日本SF叢書)
 自選短篇集。帯にある通り、ワンアイデアで瞬発力勝負のものが多かったか。でも、あとがきまで含めて楽しく読めた。特に好きなのは「アニマとエーファ」「ゲーマーズ・ゴースト」「スモーク・オン・ザ・ウォーター」「クローム再襲撃」「星間野球」か。読了日:02月28日 著者:宮内悠介


ディレイ・エフェクト

ディレイ・エフェクト

■ディレイ・エフェクト
「ディレイ・エフェクト」「空蝉」「阿呆神社」の3編が収録されている。表題作がすごくいい短篇で、こういうバランス感覚はやはりさすがだなぁと思わせられる。でもなんだろ、どうしてもミステリ的などんでん返しを入れなくてもよかったのでは、と思うのだった。読了日:02月23日 著者:宮内悠介


最後の冒険家 (集英社文庫)

最後の冒険家 (集英社文庫)

■最後の冒険家 (集英社文庫)
 熱気球による太平洋横断に挑んだ「最後の冒険家」を追ったノンフィクション。弟子にして年離れた友人であった石川直樹の、透徹した視線が偉業とその人柄を淡々と伝えてくる。それでも染み出してくる、冒険に対するワクワクはやはりこういう読み物でしか味わえない、未知に対する興味を非常に掻き立てる一作となっていた。とてもよかった。2回目の単独行の描写がびっくりするほど少ないのだけれど、それだけ情報が少ないってことだしだからこそ初回のゴンドラ漂着がとてつもない奇跡に思えるのがまさにそのとおりだなと。ラジオでなにを紹介するかで悩んでいてぴーんときたのでこれを購入したときのこれしかない感は異常だった。読了日:02月23日 著者:石川直樹


■闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))
 思った以上に冬山登山に近いサバイバルが物語の中心になっており驚いた。ただ読み終えたあと表紙はそういう意味なのかと納得もあった。文化人類学的なアプローチで、惑星の設定をつくってあるので、いまでもぜんぜん古びていないと思うし、シフグレソルやケメルといった作中の用語が徐々にわかってくるのも楽しかった。読了日:02月19日 著者:アーシュラ・K・ル・グィン


乙嫁語り 10巻 (ハルタコミックス)

乙嫁語り 10巻 (ハルタコミックス)

乙嫁語り 10巻 (ハルタコミックス)
読了日:02月15日 著者:森薫


SFが読みたい!2018年版

SFが読みたい!2018年版

SFが読みたい!2018年版
 今年も読みたい本が増えるし、情報量が多くて読み応えがある。飛先生の解題に、そんな前からそこまで考えていたのかと唸った。このあいだ読み直してようやく気がついたことだってあるっていうのに。読了日:02月10日


アルテミス(上) (ハヤカワ文庫SF)

アルテミス(上) (ハヤカワ文庫SF)

アルテミス(下) (ハヤカワ文庫SF)

アルテミス(下) (ハヤカワ文庫SF)

■アルテミス(上)(下) (ハヤカワ文庫SF)
 うーん、楽しかった!読み始めは「あれ、ずいぶん軽いテイストだな」と思ったものの、この軽さがうまい具合にストーリーと噛み合っていて、とても楽しく読めた。やっぱりどうしても『火星の人』のあと、第2作ということを意識して読んでしまったのだけれど、大満足の一作でした。読了日:02月05、06日 著者:アンディ・ウィアー