『シャングリ・ラ』

シャングリ・ラ

地球温暖化の影響で東京は熱帯の都市へと変貌した。都心の気温を5℃下げるために東京は世界最大の森林都市へと生まれ変わる。しかし地上は難民で溢れ、積層都市アトラスへと居住できる者はごく僅かだった。地上の反政府ゲリラは森林化を阻止するために立ち上がった。
月刊Newtypeの人気連載小説を待望の単行本化!!

　とにかく読むのに時間がかかった。ページ数が多いこともさることながら、作品が持つ熱さ／最大瞬間風速だけを目指して書かれた内容にうなされたようで、読むのが本当に大変だった。
　ストーリーは笑っちゃうぐらいはちゃめちゃで、戦闘シーンもすごいけれど、それよりもすごかったのは経済炭素のマネーゲームで、正直わけわからないのだけれどめちゃめちゃおもしろかった！キャラクターも立っててすばらしい台詞回しが小気味が利いていて最高だった！
　ただ謎解きにおいてはおもしろいと言われても……という感じだったのです。「へぇ〜そう」みたいな。物語の構造が神話を用いているというのはよくわかるのだけれど。ただ物語はきちんと収拾していてきれいに終わっているってのがとにかくすげぇ。もしかしたら細部に矛盾もあるのだろうけれど、それを無視して物語に浸りたくなるような、そんな魅力にあふれたとってもあっつい小説でした。
　つうかスケールの大きさとか物語の熱さだとか、こういう部分でライトノベルはもっと参考にしなければならんのでは、とKASUKAは思ったのでした。