- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/11/22
- メディア: コミック
- 購入: 47人 クリック: 2,246回
- この商品を含むブログ (898件) を見る
ただ安心していいのは、というか巧いナァと思ったのは、料理中のうんちく、というか作業工程みたいなのは全部主人公の「思ったこと」ととして、心の言葉で描かれていること。まぁでも、ここでちょろちょろ出される、彼氏への気遣いがかなりいいんだよナァ。
そう、おれがおもしろいと思ったのは、主人公の「対面を気にする」という感覚がちゃんと表現されているとこ。なんというかそういうナイーブな部分をきちんと描けるというのが、おれにとっての巧さになるんだなぁとも。だからやっぱりどうあっても『大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))』は認められない。だってみんなみんな喋りすぎだもんw あとネタがありきたりすぎるし、その解決も普通すぎて、よしながふみが少年マンガへの挑戦したことはよくわかるのだけれど、決してマンガの先へと挑戦しているようには見えないからだ。まぁだからこそスマッシュヒットなのだろうけれど。
あ、あと、この物語は決して料理マンガではないんですよ、なぜか敬語。ゲイと弁護士と料理、そして人と人の関係についてのマンガです。読後、おれはここまでいままで相手のことを考えてきたか?とついつい自問自答させられました。まぁやっぱりというか、おれはそういう自分のことを考えさえてくれるような作品が好きなのですよ。どうしようもないほどの、自己愛。ひとりセカイ系。うん、でもまぁ仕方ない、とひとり決断主義。