ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

12月の読書のまとめ

読んだ本の数:7冊


乙嫁語り 11巻 (ハルタコミックス)

乙嫁語り 11巻 (ハルタコミックス)

乙嫁語り 11巻 (ハルタコミックス)
 調べられたことが作中にただ使われるのではなくキャラクターの性格をしっかり描いているのでほんとうにたまらない。「母に似ています」とかさ!読了日:12月21日 著者:森薫


ダルちゃん: 1 (1) (コミックス単行本)

ダルちゃん: 1 (1) (コミックス単行本)

ダルちゃん (2) (コミックス単行本)

ダルちゃん (2) (コミックス単行本)

■ダルちゃん
 Webでの連載で話題になったものの書籍化。解呪の話であり、創作に囚われた人のお話でもある。パンチラインが多く、うんうんとうなずきながら読んだ。あと通して読むと、きっと最初からこういうラストに持っていこうと思っていたのではないかと思えるのだけれど、ふむ。読了日:12月17日 著者:はるな檸檬


乙女文藝ハッカソン(1) (イブニングKC)

乙女文藝ハッカソン(1) (イブニングKC)

■乙女文藝ハッカソン(1) (イブニングKC)
おもしろかった。背景になっている設定や例に出される作品が近しくて年代が近い人なんかなって思いました。読了日:12月14日 著者:山田しいた


寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)

寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)

■寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)
 読書会用。ヒューミントの極地を読めたように思うのでたしかに傑作エスピオナージュだったなぁと。査問会シーンのスリルとロマンスとどんでん返し。タイトルも効いていて完成度高いぜ。読了日:12月07日 著者:ジョン・ル・カレ


ドリフターズ 6 (ヤングキングコミックス)
「京を鬼から守るには:ガサラキ量産型」て!w いやぁ目の付け所がさすがすぎる。読了日:12月07日 著者:平野耕太


春と盆暗 (アフタヌーンKC)

春と盆暗 (アフタヌーンKC)

■春と盆暗 (アフタヌーンKC)
 こういう恋愛ものいいなぁ。変であることにどうしても惹かれてしまう感覚をとても丁寧に描いてあって好感度高いす。読了日:12月02日 著者:熊倉献

2018年オススメ本5冊

 今年は順不同です。それではいってみましょう。


熱帯

熱帯

 ふふふ、と読みえ終えたときに思わず笑ってしまう、とてもおもしろい小説だった。読んでいる途中で消えてしまう奇書『熱帯』にまつわる精緻に編まれた物語と物語と物語。そのいくつもの物語が重なった入れ子構造に、続きが気になってページをめくる手がとめられなかった。ただその一方で、森見登美彦の品があってやさしい文章世界にずっと浸っていたいなぁとも思わせられ、読み終えてしまうのがひどくもどかしかった。なにより装幀をもふまえたラストがすばらしかった。読めてよかった1冊。


ベルリンは晴れているか (単行本)

ベルリンは晴れているか (単行本)

 第二次世界大戦直後のドイツを舞台にしたミステリ。重く辛い、しかしラストはとてもすがすがしい気持ちになれる小説だった。ナチス政権下のドイツがどんなふうに戦争へと進んでいったのか、そしてその戦争が、軍事行動は終わったとしても個人の中では決してすぐには終わらないのだという現実を見せつけられた。アウグステの瞳がまるで老人のよう、と表現されていて、胸を打たれた。そこに生きる人々の息遣いを知ることができたように思う1冊。とても濃厚で、すばらしい読書体験だった。


 宮内悠介の自選ユーモア短篇集。ワンアイデアで瞬発力勝負のものが多かったか。でも、あとがきまで含めて楽しく読めた。ファンにはたまらない1冊。特に好きだったのは「アニマとエーファ」「ゲーマーズ・ゴースト」「スモーク・オン・ザ・ウォーター」「クローム再襲撃」「星間野球」か。


零號琴

零號琴

 飛浩隆16年ぶりの長篇。さまざまな出典を参照しつつ、物語が爆走していく。最終回のその先はいったいどんな物語となるのか。「かがみのまじょ」のモチーフは、「ラギッド・ガール」を彷彿とさせる。ドタバタ宇宙SFを書こうとしてこんな感じに膨らんでしまうのはもう飛先生の業なんだろうなぁって思った。ぜひ彼らの活躍の続きを読みたいところだ。『零號琴』は飛先生にとっての《敵は海賊》シリーズとならんことを。あと鎌倉ユリコの元ネタってもしかしてあの子か?とかそういう部分でも後輩諸氏と盛り上がれたのもよかった。


海辺の病院で彼女と話した幾つかのこと

海辺の病院で彼女と話した幾つかのこと

 ライトノベル界の鬼才・石川博品によるの異能者バトルもの。タイトルからちょっと想像もつかないレベルでのアクションとバトルものでびっくりはしたのだけれど、あとがきにあるタイトルよりかはいまのほうがよいは確か。謎への情報の出し方とそこからの苛烈な展開、そしてラストへと持続するリーダビリティに、さすがだなぁとうなった。なによりも女の子が肉感的でかわいく、あの抱き合う情景はいまだに印象深い。

精霊使いと軌道猟兵(トニトルス)6

kakuyomu.jp

 終わってません……。
 9月からこっちいろいろありました。引っ越ししようとして気管支炎をやって止め、古本市に出店したり、読書会を2回やったり、『零號琴』が発売したのでサイン会に行ったり『熱帯』の沈黙しない読書会に参加したり、そうこうしているうちに仕事がめちゃ忙しくなって気がつくともう12月です。さいばーまんでーでPS4も買ってしまいました。
 終わりませんでした。
 次こそバトルに次ぐバトル。
 大団円までもう少し。あと一歩。いましばしお待ちください。

 とカクヨムの近況ノートには書いたのですが、実は公募新人賞に1本送ろうかなと思って準備してます。ちょっと〆切までに時間がないので実現可能性は低いんですが、まぁやるだけやってみようの精神で。MacBookAirは持ち運びできるのと復帰が早くて、職場で昼休みとかにさっと書けるのはたいへんよいですね。ぜんぜん休まらないですけども。ワードプロセッサはとりあえずJedit Ωを入れてます。