ブックスエコーロケーション

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やつはみ喫茶読書会五十三冊目『寒い国から帰ってきたスパイ』

寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)

寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)

 やつはみ喫茶読書会五十三冊目『寒い国から帰ってきたスパイ』@半杓亭

  • 日時:2018/12/08(土)開始16:00 終了18:00
  • 課題図書:ジョン・ル・カレ『寒い国から帰ってきたスパイ』ハヤカワ文庫NV
  • 作品内容:ベルリンの壁を境に展開される英独諜報部の熾烈な暗闘を息づまる筆致で描破! 作者自身情報部員ではないかと疑われたほどのリアルな描写と、結末の見事などんでん返しとによってグレアム・グリーンに絶賛され、英国推理作家協会賞、アメリカ探偵作家クラブ賞両賞を獲得したスパイ小説の金字塔!
  • 場所:半杓亭
  • 参加費:お茶おやつ代1000円(この会でしか食べられない、おいしいおやつがでますよ〜)
  • スケジュール:読書会16:00-18:00 二次会18:30-20:00
  • 定員:12名。要予約。開催の1週間前までにご連絡ください。定員に達した場合も告知いたします。またキャンセルされる場合はなるべく早めにご連絡ください。当日キャンセルをされる場合はキャンセル料をいただきます。あらかじめご了承ください。
  • 予約先:初めて参加されるかたは、yatsuhamicafe.reading(at)gmail.comに1.お名前と2.ご連絡先、3.過去に読書会に参加したことがあるか、4.アルコールの出る二次会の出欠を記載の上、ご連絡ください。※2、3日経ってもメールの返信がない場合はお手数ですが迷惑メールフォルダをチェックされるか、こちらの記事にメールした旨のコメントを書き込みください。
  • Twitterhttps://twitter.com/yatsuhamibook
  • 後援:翻訳ミステリー大賞シンジケート 第53回やつはみ喫茶読書会のご案内 | 翻訳ミステリー大賞シンジケート

11月の読書のまとめ

読んだ本の数:6冊

■ポリフォニック・イリュージョン
 初期作品と批評などの集成集。初期作品は同人版で読んでいたので主には『零號琴』の副読本として後半の批評とか自作解題などを中心に。「シン・ゴジラ」評や『トイ・ストーリー』評なんかがそれに当たるのかなと。読了日:11月28日 著者:飛浩隆


チュートリアル (Kindle Single)

チュートリアル (Kindle Single)

チュートリアル (Kindle Single)
 仮にセーブポイントがあったとしても、人が生きていくことの複雑さは変わらないことをシュミレートした1作。あるいは本を読むことについての短篇か。読了日:11月25日 著者:円城塔


零號琴

零號琴

■零號琴
 ついに読み終えてしまった。さまざまな出典を参照しつつ、物語が爆走していく。最終回のその先はいったいどんな物語となるのか。「かがみのまじょ」のモチーフは、「ラギッド・ガール」を彷彿とさせる。ドタバタ宇宙SFを書こうとしてこんな感じに膨らんでしまうのはもう飛先生の業なんだろうなぁって。ぜひ彼らの活躍の続きを読みたいところだ。『零號琴』は飛先生にとっての《敵は海賊》シリーズですね。あと鎌倉ユリコの元ネタってもしかして後輩なのでは?w 読了日:11月20日 著者:飛浩隆


グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行 (Kindle Single)
 拡張現実によって土地に積み重なっている歴史が基底現実を侵食していく。その風景が、飛行船というモチーフも相まってとてもきれいだった。理論のとこは触れずに「気持ち」=エモさで押し切ってもよかったんじゃないかなぁとも思った。読了日:11月17日 著者:高野史緒


攻殻機動隊 (1)    KCデラックス

攻殻機動隊 (1) KCデラックス

攻殻機動隊 (1) KCデラックス
 再読。設定的に古びたところよりも、テーマとかモチーフの先鋭さはいま読んでもSFなのでとても勉強になる。そしてそういうところはきっと古びない。新しいままだ。読了日:11月07日 著者:士郎正宗


鉄腕アトム(13) (手塚治虫漫画全集)

鉄腕アトム(13) (手塚治虫漫画全集)

鉄腕アトム(13) (手塚治虫漫画全集)
 実はまともに読むのは初めての手塚治虫浦沢直樹PLUTO』の元ネタ「地上最大のロボット」編を。以前友人よりテーマを聞いていたのでなるほどなと確認しながら読んだところはあるのだけれど、本筋の行き当たりばったり感をきちんとサスペンスへと翻案していた浦沢直樹、やるなあと思ったのでした(そこか。読了日:11月03日 著者:手塚治虫


 あと今月のまとめ読みコミックは『[まとめ買い] 四月は君の嘘』をば。芸術についてお話。すごくよかった。

10月の読書のまとめ

読んだ本の数:8冊


おうむの夢と操り人形 (Kindle Single)

おうむの夢と操り人形 (Kindle Single)

■おうむの夢と操り人形 (Kindle Single)
 人型のスマートスピーカーをどんなふうに活用していくのか、という話からアナログハックへと展開していく手際は見事。何をもって「邪悪」となるのかという問いも投げかけているようにも思った。おもしろかった。読了日:10月29日 著者:藤井太洋


熱帯

熱帯

■熱帯
 プルーフで。入れ子構造がすばらしい、小説についての小説。読了日:10月21日 著者:森見登美彦


ものするひと 2 (ビームコミックス)

ものするひと 2 (ビームコミックス)

■ものするひと 2 (ビームコミックス)
 待ち会の話がよかった。ふわふわした感じが。読了日:10月16日 著者:オカヤイヅミ


FEEL YOUNG(フィールヤング) 2018年 11 月号 [雑誌]
 綿貫芳子の新作「真夏のデルタ」目当てで。読了日:10月12日


虫眼とアニ眼 (新潮文庫)

虫眼とアニ眼 (新潮文庫)

■虫眼とアニ眼 (新潮文庫)
 典型的な「専門外のことを語ると馬脚を現すスペシャリスト」の対談だった。昔はよかったに終始しててげんなり。なので白眉はやはり映像についてちゃんと語っているところか。あとわかんないなら最初から映画の解説の仕事受けなきゃいいのにね。読了日:10月08日 著者:養老孟司,宮崎駿


彼女がエスパーだったころ (講談社文庫)

彼女がエスパーだったころ (講談社文庫)

■彼女がエスパーだったころ (講談社文庫)
 読書会用。再読。初読時ほどの感動はなかったけれど、でもだからこそテーマそのものをしっかり読めたように思う。あと背景の日本がちゃんとSF的に分岐した世界っぽいほのめかしがあって、それに気がつけたのも収穫か。読了日:10月03日 著者:宮内悠介


■オッドマン11 (メガストアコミックス)
 ストーリーがもうちょっと濃密なのを期待していたら意外にあっさりとした読み味で、でもけっこう関係性は切ない。あとニッケル・オデオンにいたキャラが出てきてちょっとうれしい。読了日:10月02日 著者:道満晴明


ヒナまつり 15 (ハルタコミックス)
 ヒナたちの出自が語られる回。新田がめんどうなことになるから未来について触れなかったという下りがあり、え?むしろそこが重要じゃないの?とSF脳が発揮されてしまった。ギャップ! 読了日:10月02日 著者:大武政夫


 あと今月のまとめ読みは『ガンスリンガー・ガール』を。機械化された少女と教育係の関係性に、福祉公社という設定に政治的暗闘とテロリストに銃器、とまさにフルコースで琴線を刺激されまくりの作品だった。これもっと若い頃に読んでたらまずかったな、と本気で思わせられた。