ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

11月の読書のまとめ

読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1515ページ

普通の本屋を続けるために 感想 久禮 亮太 - 読書メーター
■普通の本屋を続けるために
 日々の荷物に殺されないようにするというのは確かになぁとなりました。読了日:11月29日 著者:久禮亮太


■公正的戦闘規範 (ハヤカワ文庫JA)
 表題作がズバ抜けてすばらしい。技術と人間性の摩擦が見事に表現された1作だと思う。そのほかの短篇も新しい技術が一般化していく過程で、人の手を離れ加速していく様を期待を乗せて描いており、デビュー作の頃より通底している姿勢なのだなと気がつかされる。読了日:11月27日 著者:藤井太洋


宝石の国(8) (アフタヌーンKC)

宝石の国(8) (アフタヌーンKC)

宝石の国(8) (アフタヌーンKC)
 ダイヤの発言が衝撃であり、設定の大ネタが明らかになりつつも、そこに主眼をおいていないことも明らかになってきたように思う。読了日:11月24日 著者:市川春子


ヴィンランド・サガ(20) (アフタヌーンKC)
 苦難の道をどう切り抜けていくのか、単純な暴力の能力が高いがゆえにこういう環境を設定しないと盛り上がらないというのがトルフィンの大変なところなのかなぁと思った。読了日:11月24日 著者:幸村誠


■先生とそのお布団 (ガガガ文庫)
 こんなつらく悲しい物語を読ませられるとは思わなかった。こんな道を歩き続けるためには、やはり同道者が助けになるのだなと先生と布団の関係をうらやましく思い、何より石川博品レベルですら何者でもないとか言われたらと思わず自分を顧みて読むのが進まなかった。たいへん切実な、いい私小説でありました。読了日:11月24日 著者:石川博品

 

エドウィン・マルハウス (河出文庫)
 こっわ、というのが読後の最初の感想。芸術家ってこわい!読み始めは濃密な描写につぐ描写で、はは~んこれは読者の記憶を刺激してゲシュタルト崩壊を起こさせて幻惑させるためだなと思って読み進めていたのだけれど、きっとそれは違っていてエドウィンがすぐそばにいるような感覚を得るためで、そう思ったところであのラストである。こわすぎである。そして「復刻版によせて」がにくい作りになっている。ここに全部書いてあると認識するころには術中にはまっているわけですよ!笑 読了日:11月22日 著者:スティーヴン・ミルハウザー


恋は光 7 (ヤングジャンプコミックス)

恋は光 7 (ヤングジャンプコミックス)

■恋は光 7 (ヤングジャンプミックス)
 つに完結。よかったよかったという感情と、なるほどなーという納得と、あとがきに対して、ええんやで10年後の彼らとか描いてくれてええんやでという感情が渦巻く。読了日:11月19日 著者:秋枝


■吉田同名 -Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作
 おもしろかった。ワンアイデアをしっかり考察して描くことでめちゃくちゃ読ませるSFになっていた。淡々とした語り口が説得力を増していたように思うし、時にくすりと来てよかった。読了日:11月01日 著者:石川宗生
半分世界 (創元日本SF叢書)

半分世界 (創元日本SF叢書)

 このタイトルを収録した短篇集がでるらしいので期待している。


 あとはドラマ化の話を聞き、懐かしくなって思わず『電影少女』をまとめ買いしてみたが、要所要所のシーンしか覚えておらず、たぶん床屋の待合室で飛び飛びで読んでたんだろうなぁ。最終巻にまとめられている恋のエピソードが好みだった。
 そのほかに大量に異世界転生もののコミックを読み散らかした。実作に反映できるといいかなと思っているが疲れからくる単なる消費であったようにも思った。

やつはみ喫茶読書会四十七冊目『エドウィン・マルハウス』

 やつはみ喫茶読書会四十七冊目スティーヴン・ミルハウザーエドウィン・マルハウス』@半杓亭

  • 日時:2017/11/25(土)開始16:00 終了17:30
  • 課題図書:スティーヴン・ミルハウザー 岸本佐知子訳『エドウィン・マルハウス』河出文庫
  • 作品内容:天才作家エドウィン・マルハウスは、傑作『まんが』を遺して11歳で夭折した。誕生から彼を見つめつづけた親友ジェフリーは、その評伝を残して姿を消す。捨てられた遊園地、マンガ、アニメ映画、ローズへの恋……。ダークで濃密なコドモの世界を、幾重もの仕掛けとともに描いた傑作長篇。
  • 場所:半杓亭
  • 参加費:お茶おやつ代1000円(この会でしか食べられない、おいしいおやつがでますよ~)
  • スケジュール:読書会16:00-17:30 二次会18:00-20:00
  • 定員:12名。要予約。開催の1週間前までにご連絡ください。定員に達した場合も告知いたします。またキャンセルされる場合はなるべく早めにご連絡ください。当日キャンセルをされる場合はキャンセル料をいただきます。あらかじめご了承ください。
  • 予約先:初めて参加されるかたは、yatsuhamicafe.reading(at)gmail.comに1.お名前と2.ご連絡先、3.過去に読書会に参加したことがあるか、4.アルコールの出る二次会の出欠を記載の上、ご連絡ください。※2、3日経ってもメールの返信がない場合はお手数ですが迷惑メールフォルダをチェックされるか、こちらの記事にメールした旨のコメントを書き込みください。
  • Twitterhttps://twitter.com/yatsuhamibook
  • 今回より翻訳ミステリー大賞シンジケートさんに、下記サイトにて告知の後援をしていただいております。ありがとうございます。

honyakumystery.jp

翻訳ミステリー大賞シンジケートさんのサイトにて、四十七冊目のレポートを掲載いただきました。ご覧ください。
honyakumystery.jp

10月の読書のまとめ

読んだ本の数:18冊
読んだページ数:3768ページ

捜査一課殺人班イルマ エクスプロード

捜査一課殺人班イルマ エクスプロード

■捜査一課殺人班イルマ エクスプロード
 イルマシリーズ第3弾。今回もおもしろかった。息もつかせぬ展開でぐいぐい読ませるし、登場人物たちがしっかり書き込まれているから、だんだんと輪郭がはっきりしてきて、相手のことを本当に知るように、登場人物がわかってくるのがおもしろかった。あと3作通して読んで、アクションの質がズラしてあるんだなと気がついた。読了日:10月31日 著者:結城充考


屍人荘の殺人

屍人荘の殺人

■屍人荘の殺人
 勘の良い人はタイトルでピンとくるだろうけれど、こういう方法でクローズドサークルをつくるアイデアに、ボンクラ具合をかなり刺激されるし、なにより神紅のホームズとワトソンの関係性が泣かせる(そしてそれすら伏線になる!)。名探偵もかわいいし、読みどころが多い、見事な本格推理小説でした。でも読むなら今のうち感、ありますね。なにも知らずに読んで欲しい類の1冊。読了日:10月21日 著者:今村昌弘


13月のゆうれい  1 (フィールコミックスswing)

13月のゆうれい 1 (フィールコミックスswing)

13月のゆうれい 2 (Feelコミックス FC SWING)

13月のゆうれい 2 (Feelコミックス FC SWING)

■13月のゆうれい 全2巻 (Feelコミックス FC SWING)
 ある種の呪いの話。それをどうやって解呪していくのか、そのひとつの方法を読んだ気になれる。読了日:10月21日 著者:高野雀


血界戦線 3 ―震撃の血槌― (ジャンプコミックス)

血界戦線 3 ―震撃の血槌― (ジャンプコミックス)

血界戦線 魔封街結社 (ジャンプコミックス)

血界戦線 魔封街結社 (ジャンプコミックス)

血界戦線 2 世界と世界のゲーム (ジャンプコミックス)

血界戦線 2 世界と世界のゲーム (ジャンプコミックス)

血界戦線 4 ―拳客のエデン― (ジャンプコミックス)

血界戦線 4 ―拳客のエデン― (ジャンプコミックス)

血界戦線 6 ─人狼大作戦─ (ジャンプコミックス)

血界戦線 6 ─人狼大作戦─ (ジャンプコミックス)

血界戦線 5 ─Zの一番長い日─ (ジャンプコミックス)

血界戦線 5 ─Zの一番長い日─ (ジャンプコミックス)

血界戦線 魔封街結社 1~6(ジャンプコミックス)
 アニメの復習のために。読み直して、しっかりアニメ化されていたんだなと気がつく。読了日:10月20日 著者:内藤泰弘


Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫JA)
 おもしろかった。拡張現実描写とトゥルーネット、そして蒸留作物とアイデア満載で描かれる未来は、おそらく生きているあいだに見られそうな感覚があってよかった。主人公が言葉をあまり知らない描写も時代経過を感じさせてうまいなと。あと本当のエンリコはどこ行ったんすかね。でも好きなキャラは黒川さんだった。彼のスピンオフを読みたいところ。読了日:10月12日 著者:藤井太洋


ふしぎの国の有栖川さん 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

ふしぎの国の有栖川さん 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

■ふしぎの国の有栖川さん 1 (マーガレットコミックス)
読了日:10月10日 著者:オザキ アキラ


子供はわかってあげない(上)(下) (モーニング KC)
 すごくいいバランス感覚で描かれていた、ある青春の一幕だった。読了日:10月10日 著者:田島列島


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)
 すばらしかった。幼少期の思い出と、大人になってから人捜しパートが、見えている世界の違いを明確にしている。でも子どもであるからこそわかることもちゃんと描かれている。ぼくは自分を「文化的な孤児」であると嘯くことがあるけれど、この本にはそれを鼻で笑い飛ばしすらしない、強さがあると思った。読了日:10月10日 著者:米原万里


■うちのクラスの女子がヤバい(2)(3)<完> (マガジンエッジKC)
 無用力という役に立たない思春期特有に発現してしまう超能力をとてもいいアクセントにした青春SF。読了日:10月07日 著者:衿沢世衣子


ビッグコミックスピリッツ 2017年 10/16 号 [雑誌]
 仮面ライダーWのふたりが表紙だったために思わず。読了日:10月03日


坂道のアポロン コミック 1-9巻 セット (フラワーコミックス)

坂道のアポロン コミック 1-9巻 セット (フラワーコミックス)

 坂道のアポロン ジャズの使い方と友人関係、つまり青春の描き方がよかった。

 先生の白い嘘 これも、解呪についての物語だった。