ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

ライトノベルSF13(キャプテン・デルタスリー)

 AMW|電撃大賞(小説・イラスト・コミック公募企画)
 というわけで本日小説大賞の二次選考、と同時に三次選考の結果が発表され、残念ながら拙作は二次落選とあいなりました。
 いい夢みさせてもらった、という感覚と、多くのかたに手伝っていただいたのに、という思いがうずまいて、もぅマヂ無理。カクヨムしよ。
 kakuyomu.jp
 とりあえず、第1部まで公開しました。よろしくお願いします。

7月のまとめ

読んだ本の数:5冊

松本城、起つ

松本城、起つ

松本城、起つ
 江戸時代の松本城を舞台に、実際にあった百姓一揆・貞享騒動をモチーフにした、歴史改変時間SF。魅力的なキャラクターたちが、確かに彼らがそこにいたんだなぁと思わせてくれる筆致が、すごく好ましい小説だった。読了日:7月23日 著者:六冬和生


九尾の猫〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

九尾の猫〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

■九尾の猫〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
 読書会用。第二次大戦後のニューヨークを舞台に描かれるサスペンス小説。正直に言えばミステリ的な仕掛けそのものよりも、当時の風俗や暴動の描かれかたがすごく気になったように思う。ラストのオチがストーリーそのものを象徴するようなものだった、というのも良かったように思う。読了日:7月22日 著者:エラリイ・クイーン


甘々と稲妻(7) (アフタヌーンKC)

甘々と稲妻(7) (アフタヌーンKC)

甘々と稲妻(7) (アフタヌーンKC)
 着々と成長していくつむぎに、ああ、ぼくはすでに親心すら抱いているよ。読了日:7月8日 著者:雨隠ギド


彼女がエスパーだったころ

彼女がエスパーだったころ

■彼女がエスパーだったころ
 疑似科学や超常現象、そこにハマってしまう人々をルポライターの視点で描く『盤上の夜』に通じるフェイク・ドキュメンタリー。霊性を科学が切り開いていった先に残るのは、信仰を失ったことによる自死なのか。ぼくも含め、弱者によりそう視点が、ただ揶揄するよりもどれほどむつかしいかを、この小説は描いているように思った。だからこそ後半3編の主人公の行動は、観察者から逸脱していくのだろう。読了日:7月6日 著者:宮内悠介


■マーベルズ (ShoPro Books)
 ヒーローのいる社会を、あくまで傍観者の記者の視点から描いたマーベル年代記。絵柄はメリハリがなくて好みではなかったのだけれど、写実的だからこその視点の低さ、ヒーローを見上げるような感覚、人の表情など目をみはるものがあった。だからこそ出来事の渦中には入っていけなかった主人公のラストシーンのセリフがグッとくる。なおコンクリート・レボルティオを補助線に読んだところが大きい。読了日:7月2日 著者:カート・ビュシーク

やつはみ喫茶読書会三十九冊目『九尾の猫』@半杓亭

九尾の猫〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

九尾の猫〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 やつはみ喫茶読書会三十九冊目『九尾の猫』@半杓亭
 2016/07/30(土)開場15:00 開始15:30 終了18:00
 課題図書:エラリイ・クイーン『九尾の猫』ハヤカワ・ミステリ文庫
 作品内容:次から次へと殺人を犯し、ニューヨークを震撼させた連続絞殺魔〈猫〉事件。すでに五人の犠牲者が出ているにもかかわらず、その正体は依然としてつかめずにいた。指紋も動機もなく、目撃者も容疑者もまったくいない。〈猫〉が風のように町を通りすぎた後に残るものはただ二つ――死体とその首に巻きついたタッサーシルクの紐だけだった。過去の呪縛に苦しみながらも、エラリイと〈猫〉の頭脳戦が展開される。待望の新訳版。
 場所:半杓亭
 費用:お茶おやつ代600円(この会でしか食べられない、おいしいおやつがでますよ~)
 定員:12名。要予約。定員に達した場合も告知いたします。
 予約先:初めて参加されるかたは、yatsuhamicafe.reading(at)gmail.comに名前と連絡先、アルコールの出る二次会の出欠を含め、ご連絡ください。

今回は10名の方が参加されました。総じてクイーン・マニアのかたがいろいろと解説してくださいました。個人的に興味深かったのは、戦争の大量死に対抗するために推理小説が名指しの死を与えた、という話でしたが、よりパズルに特化していった(ようにぼくには思える)新本格ミステリは、登場人物をより記号化/キャラクタライズしていく傾向が強かったのではないのか、などと思ったのでした。うーむ?