すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

ジョー・ヒル『20世紀の幽霊たち』

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

 デビュー作としては傑作ぞろいだと思う。というか冒頭の3作品「年間ホラー傑作選」はコンベンションの描写から一転しての逃走劇とそのモノローグがかっこよく、「20世紀の幽霊」はやはり映画館でのあの絵になるシーンの描写が、そして「ポップ・アート」はそのとてつもない奇想っぷりをネタとして笑わないために用いるとは!と感嘆した。
 けど、あとはなんかジョックへの逆襲という構造が見え隠れしていて、でもなんか彼自身がそう思ってそう書いているわけではなくて、書けばそう思っている人たちに読まれると知っているから書いている感じがあって、ちょっとうんざりした。そういう爽快感とは別の爽快さを期待するのがおかしいのかもしれないけれど、なんかなぁって思った。
 だから「アブラハムの息子」「うちよりここのほうが」「自発的入院」も確かによかったのだけれど、やはり冒頭3作品の良さには劣るなぁ、と思ったのでした。