すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

『ぼくらの8』鬼頭莫宏

ぼくらの 8 (IKKI COMIX)

ぼくらの 8 (IKKI COMIX)

 アンコの戦闘のテレビ中継により少年少女への世論は、同情・支持に傾いた。
 カンジは、母が設計した巨大建築物・沖天楼のそばで戦い、死ぬことを願ったが敵は、はるか遠方から攻撃を始める――!!

 当たり前だが、われわれは身近な子どもが強引に死にさらされるとき、それは世界が破滅するや遠くのどこかで虐殺が行われているということよりも、より切実な問題として、せりあがってくる世界がある。子どもたちの死に様を描くことによって強引にその世界を描き出そうとしていて、その乱暴さにほれぼれするとはASAVAが言っていたことだけれど、このカンジ編でそれが、とてもよくわかったように思う。
 デスノート夜神月は、「ノートの所持者」として作中で描かれるしかなかったが、ぼくらのの主人公たちはまずそれぞれの生活があり、経験がある上で巨大ロボットにのって戦わなければならない、絶対に。いかに闘うのか、にも確かに個性はでる。しかし、なんのために闘うのか、という部分の方がより個性が、その個性が培われた世界が垣間見えるのではないのか。それが遺された者/読者の創造に過ぎないのであっても、それは厳然たる事実だ。