というわけで急遽書くことになった掌編を星新一賞に応募しました。〆切直前に体調を崩してしまうアクシデントもありましたが、無事に応募できました。あとはデータのアップロードだけという瞬間に「必ずあらすじをつけてください」という文章で戦慄はしましたが。今回も友人諸氏にアドバイスをいただきました。ありがとうございました。ただ――なんというか書いてて気がついて悲しくなったのですが、今回のもまったく手癖の結構だったということでした。その辺りは、「エコーロケーション」/「川口健伍(KASUKA)」の小説 [pixiv]や「アーク・サマー」/「川口健伍(KASUKA)」の小説 [pixiv]を読んでいただけるとそのあたり「ああ」と納得していただけるのではないでしょうか。ただの偏りなのでこの辺りもう少しなんとかしていきたいものです。後輩によれば「先輩的ヒロインを出さないという強い制約が必要」というもっともなアドバイスをいただきました。とりあえず『英国王のスピーチ』を観てみようと思いました。
10月のまとめ
2013年10月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
書いていると読めないのと『ノーストリリア』に思いのほか手こずっているので今月は少なめだった。
- 作者: 御徒町鳩
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/10/22
- メディア: コミック
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そうかー、次で完結なのか。読了日:10月30日 著者:御徒町鳩
- 作者: 吾妻ひでお
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2013/10/06
- メディア: コミック
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ジッサイスゴイ。前作に比べてより緻密にでも決して暗くならないバランス感覚はさすがだった。読了日:10月29日 著者:吾妻ひでお
- 作者: ポール・オースター,Paul Auster,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1993/10
- メディア: 新書
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オースターのニューヨーク三部作の三作目。ファンショーと「僕」は書くことと読むことの対比、ファンショーとソフィーが幽霊と生者の対比を描いているのだろうと思う。探偵小説の形式を借り、他者を追いかけていく先にその他者が他ならぬ自分の中にあることに気がつくことができる。そこでようやく私に向き合うことができるようになるんだろうな。このめんどうくささをすばらしい筆致で読ませる小説だった。読了日:10月8日 著者:ポール・オースター
- 作者: カート・ヴォネガット・ジュニア,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1977/10
- メディア: 文庫
- 購入: 17人 クリック: 288回
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奇妙奇天烈なユーモアにあふれたSF小説だった。皮肉と真摯さが心地よい訳文で、でも押しつけがましくないのがとても好感触。これくらい捻くれて愛とかそういう意味のことを書いてくれるとちょうどいいって感じてしまうのはなかなか末期だとは思うけれども。読了日:10月3日 著者:カート・ヴォネガット・ジュニア
10月のまとめ
ボンクラなことを文学的にやる、その最たる作品になったんじゃないかな。日本映画に敬意を払うタランティーノの映画を日本で撮ったらこうなる感じというか。でもファックボンバーズの平田は本当にすばらしい演技で彼のおかげで映画の神降臨待ちパートだけ異様に浮いているように見えるんだけれども。二階堂ふみの肌ツヤもすごい。あとエンディングで星野源の同名曲が流れてなんだか泣きそうになったのは特筆しておく。
- ニール・ブロムカンプ『エリジウム』
また気持ち悪くなるw IMAX2Dというなんとも不思議な構成で観られたのだけれどそれとは関係なく、どうにもああいうスラム描写は苦手なんだろうなぁ。人類の野蛮さがむき出しになっているカットは普段目を背けて生きているから余計に気持ち悪くなるんだよなぁ。まぁそれと映画の出来は関係ないわけで、いや確かにSFにしか描けないラストのすばらしさ。マット・デイモンの「I know.」という言葉にミーアキャットの挿話がすばらしく胸に響く。あとはドロイド! あの実際に工業製品としてリリースされてそうなデザインがすばらしいですわ。