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すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

8月のまとめ

読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1418ページ
ナイス数:24ナイス

 小説が週に1冊は読めているのでよい方ですね。あと最近、図書館で本を借りることを覚えましたw


ブルックリン・フォリーズ

ブルックリン・フォリーズ

■ブルックリン・フォリーズ
 ポール・オースターによる胸が暖かくなるとてもいい話。でもただいい話ってわけでもなくてちゃんと人生の滋味に富んだ、人の「愚行」を描いていて、どこか突き放した視点で、でもウィットもおかしみもちゃんとある、しみじみいい話になっている。それを柴田元幸の水が合うような翻訳でつるつると読めてしまうのだ。Xは現在位置を示し、そこからぼくらはホテル・イグジステンスを少しずつでも目指すのだなぁと思った。とてもおもしろかった。読了日:8月30日 著者:ポール・オースター


終点のあの子

終点のあの子

■終点のあの子
 すごくおもしろかった。青春の失墜、その結構を思わずノワールとして読んでしまった。ただ、この作品で描かれる普遍性にほんとうに信じられないぐらい強い共感を得てしまうのは、結局おれがまだ青年期を脱していないってことなんだろうなぁと思うのだ。ほらやっぱり自分に引きつけて読んでるし。タイトルにまつわる197頁後半がすごくよかった。願わくば彼女たちが同級会で屈託なく笑い合えるような、それでもどこかで他者への昏い羨望を抱えてこれからも生き続けて欲しいなぁと思うのだ。読了日:8月21日 著者:柚木麻子


ゼウスガーデン衰亡史 (ハルキ文庫)

ゼウスガーデン衰亡史 (ハルキ文庫)

■ゼウスガーデン衰亡史 (ハルキ文庫)
 円城塔に「主食」と言わしめる怪作。下高井戸オリンピック遊戯場ことゼウスガーデンの盛衰を圧倒的過剰さで描き切る。遊戯場の話だと思ったら歴史と政治と文明批評で、まさに衰亡史である、とても魅力的な偽史だった。新たに追加された「ゼウスガーデンの秋」はその一時代を切り取る抒情豊かな短篇。読了日:8月15日 著者:小林恭二


宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー)

宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー)

■宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー)
 冷戦下のソビエトで、月の裏側で自動機械のはずの月面ヴィークルの中の人として自転車を漕いでプロの英雄になるオモン・ラー、その人の幼少期から青年期にかけての物語。二重三重の虚構性についてわかった気になってソビエト人の内宇宙を描いていると言ってもいいのだろうけれど、まぁこれって別にこの国に限った話ではないし、だからこそラストシーンがぐっとくるんだろうなぁ。あとロシア文学ではSFが文学的な実験の場として機能しているんだろうなとも思った。表紙のデザインがかっこよくてずっと読みたかったので読めてよかった。読了日:8月6日 著者:ヴィクトル・ペレーヴィン


スピリットサークル 02―魂環 (ヤングキングコミックス)
 過去生が「いつ」なのか、さすがに細部の情報からでは推測するのがむつかしいので、モデルの時代があったとしても必ずしもその時代そのものではない、ということでいいのかな。その辺りがちょっと弱いと感じているんだろうなぁ。インタビューから判断するにこうかっちり構築した話を期待するのはお門違いなのだろうけども。読了日:8月5日 著者:水上悟志


■放課後おわらいぶ(1) (アクションコミックス(コミックハイ! ))
 ハガキ職人のさえない男子高生と売れない女芸人のお話。表紙に惹かれて購入したのだけれど、女の子がかわいいのは当然だったのだけれど、なによりよかったのが高校生の高校生ぶりがとても丁寧に描かれていたことだなぁ。それをマイナスではなくてあたたかい視線であるのが救われるのですよw 読了日:8月5日 著者:高嶋ひろみ