すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

大塚英志『ストーリーメーカー』

 良書。
 30の設問による「ストーリー」の構築のための実践マニュアルであって、決して「小説」の書き方の本ではない。しかし、おそろしいまでに頭の中のもやもやしたものを整理整頓してくれる実用書だ。設問をついつい解きたくなってしまうのは国語教育の賜物だが、それを見越して、物語の構造を組み立てやすい設問になっているのがいちいちにくい。つか、これだけ設問がしっかりしているとあとは小説にするだけってかんじ。
 構造はけっきょく容器にすぎなくて、「なにも書くことが見つからない/書くことがない」状態でも、容器にものをつめていくことはできる。つめていく作業で容器はいくらでも変質するからこその固有性、ということなのだなぁと思った。このあたり仲俣暁生古川日出男神林長平の、「何を」ではなくて「いかに」書くか、という部分と共振していておもしろい。
 今回、大塚英志はその理論をきちんとマニュアル化して実践で使えるようにした、という意味でこいつは良書なのである。まぁようは、かなり使えるってこと!