こいつはひさびさに興奮したマンガだった。なんというか本当に、ストイックに男の子向けに徹したマンガで、世界が崩壊しかかった中で女の子を守って男の子ががんばる/活躍するという、まさに賀東招二が帯に書いていた通りのマンガだ。どんどんと状況が悪化していく中で、はっきり言って物語的な終幕をどのように描くのか、まずその点でこのマンガは「先が読めない」のである。謎の解決と治癒とかそういうのとは別種の目的で描かれている感じがする。だってじゃないと逃げ惑うだけでこんだけの巻数を使う必要がよくわからないから。あとこれは基本的にロールがきちんと分担されいて、なおかつお約束/王道的な見せ方をしつつも、その外し方が徹底的に説得力がある、あるいは理屈で固められているからだろうか、すごく楽しい。SATのおねえさんがハンヴィーやら鉄砲やらを持ってるっていうのは「ないかもしれないけれどありそうかも」のかもの部分に非常に力点を置いて描かれている。同様に毒島先輩や銃剣術使いの女の子の設定への理屈付けとかが、けっこう斬新でおもしろい。
まぁなにより平野耕太や田丸浩史の友情出演というくすぐりがたまらないのだけれどもw