すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

『蜜柑』

蜜柑 『空の園丁(仮)』第2部冒頭より」
 著:飛浩隆 イラスト:森山由海
 【初出】S-Fマガジン 2007年 04月号 [雑誌]
 〈青野の区界〉の少年、秋は白いコートの女と出会い、甘く腐れた蜜柑の夢を見た――

 上記の文章を見た瞬間に鳥肌が立ったのはKASUKA自身もびっくりでした。
 そう、「彼女」です。
 今作では前作までのモチーフ(コートの女/『抽斗の中』/苦痛の純粋集積体/天使)と『空の園丁(仮)』のモチーフ(青野の役割/AIでもゲストでもないキャラクタ/天使空襲/天使と似た霜)が混然一体となってもう情報の奔流に弄ばれっ放し(笑)。
 また「SFは絵である」とは野田昌宏大元帥のお言葉ですが、天井にぶらさがるドライフラワーの描写はもうとんでもなかったです。ああああもう……、と感嘆/ため息。
 あと青野の描写は郷愁を誘いつつもどこか古臭くなくて斬新な感じがするのは、おそらく文章の視点の位置と、透徹した言葉遣いのせいなのか、と思うけれどよくわからない。悔しい。でも――どうあっても描かれる町並みを松江のそれと比定してしまおうとするKASUKAがいる(笑)。これはここで、ここはここか、な、たぶん竪町あたり?とか(笑)。
 今回の「境界」を描くモチーフは「手」が使われていて、それもまたエロいっすね。で、手は行使の象徴って感じがするのでコートの女が能動的に動くのかしら……とも思ったり。
 ああ『空の園丁(仮)』、本当に楽しみですわ\(◎o◎)/