- 作者: 梶尾真治,鶴田謙二
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2000/09
- メディア: 文庫
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彼女はエマノン、ぼくが出会った不思議な少女。彼女は言った、「私は地球に生命が発生してから現在までのことを総て記憶しているのよ」と。彼女の口から紡ぎだされる、母か娘へと伝えられたさまざまな『地球』のおもいでたち。
まぁあれだ懐かしさならおれには『イリヤの空、UFOの夏〈その1〉 (電撃文庫)』がある。
というわけでこの作品、今年のSFマガジンの国内短篇部門オールタイムベスト’06の6位に表題作が選ばれておりますが……わたしには辛かった。
でも鶴田謙二が描く「エマノン」ってなんでこんなにエロいんでしょうね。
つか願望充足型の女の子なので、女性が読んだ時にどれだけ耐えれらるのでしょうか、少し心配になってしまうほど魅力的に描かれております。最後のほうはほとんど彼女のためにページをめくっておるようなものでした。
でもあれです、地の文/会話文で説明しすぎ。
トリビア的な知識で物語を解決に導くんではなくて、そこは文章の/言葉の力でもって余韻を持たして欲しいところ。そういう意味では愚直なエンターテイメントと言えるのかと。
あと、かなり劣化が始まっていてちょっとこれはSF的な欲求を満たすとかそういうことを抜きにしてイタくなっているような。これがあと10年も経れば、「懐かしさ」に変化するのでしょうが(ウェルズやヴェルヌのように)ちょっとわたくし時代的に中途半端な位置で読んでしまったようですね。。。