ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

第3回まつもと一箱古本市に参加した。

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 第3回まつもと一箱古本市に、やつはみ喫茶読書会として参加してきました~。未明まで雨が降り続き、これはもしかして室内になるかなと思っていたのですが、朝の段階で止んだので外でやることができました。よかったよかった。暑すぎず寒すぎず風もない、箱主的には最良の天候でしたね。ただスタッフ兼箱主という立場だったので、周囲に目を配りながらバタバタとして正直そんなに自分の箱に集中できなかったのが残念でした。でもけっこうな頻度で友人知人が訪ねてきてくれたり、数年ぶりにお会いした方など、話が盛り上がったのがよかったです。ただ知人友人との会話が盛り上がりすぎたことと早起きの影響もあって、お客さんとの会話する精神的なリソースが残っていなくて、あんまり本が売れなかったのが残念でした。こういう場では、本の価値そのものよりも、箱主とお客さんとの会話という体験によって本の値段が決まる、というか売れるのだなと改めて思ったのでした。でも、交流会でも新しい方との出会いもありましたし、総じてとても楽しい1日でした。
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 ほんとはこれ以上を本を増やす気はなかったのですが、思わず購入した1冊は金子國義の装丁装画もすばらしい津原泰水の『ピカルディの薔薇』と、友人に押し売られた公式グッズのバッグとブックカバーです。後者は素材もよくて使い倒したくなる感じですね。

ピカルディの薔薇

ピカルディの薔薇

9月の読書のまとめ

読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1428ページ

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)
 いやー驚いた驚いた。卑近な感想ではあるがそれだけで本格ミステリを読んだ快感を得られたようで元は取ったなと思ったのでした。ただ正直に言えばキャラと名前が一致する前にバタバタと死なれてしまってヤバイ追いつけないぞ焦ったのはここだけの秘密だ。読了日:09月19日 著者:綾辻行人
巨神計画〈下〉 (創元SF文庫)

巨神計画〈下〉 (創元SF文庫)

■巨神計画〈下〉 (創元SF文庫)
 気がつくとスーパーロボットがどったんばったんする、というよりもあくまで完成した「彼女」をめぐる国家謀略と、キャラの関係性に注力した展開に終始しして、それはそれ上巻で充分キャラ付けされているので楽しめたわけですが、ちょっと予想外だったと思い、いやいやそういえば3部作の1作目なのだからまずそこを見せるよなとも納得した。「彼女」に関しては今後におあずけかな。しかしこれ、続刊出た頃に読み直さきゃいけないやつだ。なお一番好きなキャラはインタビュアーだった。読了日:09月11日 著者:シルヴァン・ヌーヴェル
巨神計画〈上〉 (創元SF文庫)

巨神計画〈上〉 (創元SF文庫)

■巨神計画〈上〉 (創元SF文庫)
 オーバーテクノロジーでつくられた「手」の発見から始まり世界中からパーツを集めて「彼女」を組み立てるプロジェクトもの。インタビューや報告書形式で記述されるのでぐいぐい読ませる。頭のいい人たちや苛烈な人のキャラがたってて、差し込まれるエピソードがどれも飽きさせないのが読みやすさにつながってるなと思った。ちゃんとポリティカル・フィクションの要素があるのもいい。読了日:09月11日 著者:シルヴァン・ヌーヴェル
四人制姉妹百合物帳 (星海社文庫)

四人制姉妹百合物帳 (星海社文庫)

■四人制姉妹百合物帳 (星海社文庫)
 石川博品のスキが詰まった1冊。まさか「つるつる」のネタがここまでストーリーの最後までかかわってくるとは思わなかったw 特によかったのが怒涛の勢いでもりあがっていく文化祭の「毛無」。本領発揮感があってほんとさすがだなぁと。ちゃんと青春の一コマを切り取った傑作ドタバタ百合小説だった。読了日:09月02日 著者:石川博品

やつはみ喫茶読書会四十六冊目『十角館の殺人<新装改訂版>』

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

 やつはみ喫茶読書会四十六冊目『十角館の殺人<新装改訂版>』@半杓亭

  • 日時:2017/09/30(土)開場15:00 開始15:30 終了18:00
  • 課題図書:綾辻行人十角館の殺人<新装改訂版>』講談社文庫
  • 作品内容:新本格ミステリ30周年! 十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける! 1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。
  • 場所:半杓亭
  • 参加費:お茶おやつ代1000円(この会でしか食べられない、おいしいおやつがでますよ~)
  • スケジュール:開場 受付開始15:00- 読書会15:30-17:30 二次会18:30-20:00
  • 定員:12名。要予約。開催の1週間前までにご連絡ください。定員に達した場合も告知いたします。またキャンセルされる場合はなるべく早めにご連絡ください。当日キャンセルをされる場合はキャンセル料をいただきます。あらかじめご了承ください。
  • 予約先:初めて参加されるかたは、yatsuhamicafe.reading(at)gmail.comにお名前とご連絡先、過去に読書会に参加したことがあるか、アルコールの出る二次会の出欠を記載の上、ご連絡ください。※2、3日経ってもメールの返信がない場合はお手数ですが迷惑メールフォルダをチェックされるか、こちらの記事にメールした旨のコメントを書き込みください。
  • Twitterhttps://twitter.com/yatsuhamibook

 今回は10名が参加されました。なかには京大ミス研や立ミス出身者もおり、いろいろと詳しいお話も伺えました。年代的にリアルタイムで読んでおられた人もあり、新装改訂版での読み直しで細部が変化している、特にページ替えによる1文がより効果が発揮されているのでは、という話がありました。また新本格ミステリの発端である今作が、ロジカルな推理による犯人当てそのものよりも、叙述トリックの驚きに伏線が注力されている構造がおもしろいのではないかという意見もありました。
 さて次回は11月25日(土)を予定しています。近々告知しますのでタイトルはいますこしお待ち下さい。