ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。2024年11月18日実店舗OPEN!!

5月の読書のまとめ

読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2429ページ


パーマネント神喜劇

パーマネント神喜劇

■パーマネント神喜劇
 プルーフで。神社の神様が人間社会における会社の査定制度みたいなシステムに翻弄され、その神様に翻弄される人間を描いたコメディ。切り取られる人生の細部にときたまはっとさせられる。読了日:05月30日 著者:万城目学


自生の夢

自生の夢

■自生の夢
 初出時にすべて読んでいたので実質再読。「自生の夢」に至っては4回目か。しかしこう並ぶとなるほど表題作を中心とした流れがきっちりとあることがわかっておもしろい。どの短篇もひとの手に負えない巨大で遠大なものを、その周囲を描くことで浮き上がらせようとしているように読める。そこに音楽、料理、誰かへの発破や追悼といったとっかかりが用意されているように思える。まあ思えるからってじゃあ読み解けるのかって言われれば別の問題だけれども。この多層さがやっぱりさすがだなぁと。読了日:05月24日 著者:飛浩隆


宝石の国(7)特装版 (プレミアムKC アフタヌーン)
 表紙、誰だよ!!とまあ冗談はともかく今回も謎は深まり金剛先生の示唆もあり着実に進展してますね。そしてフォスはついに大きな賭けに。にしても思考速度が上がって物語の展開スピードも上がったように思うのがおもしろい。イラスト集はコメンタリーがついている。読了日:05月23日 著者:市川 春子


あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

■あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)
 映画「メッセージ」を観たので表題作「あなたの人生の物語」を再読してみた。完全に忘れていたし初読時の感想もここにはないのだけれど、語りとアイデアが完璧に乳化した傑作短篇だったんだなと。ぜんぜんわかってなかったんだなと。あと子どもの描写が、確実に加齢によって読み方が変わっていてめちゃくちゃグッとくるようになっていた。読了日:05月22日 著者:テッド・チャン


■捜査一課殺人班イルマ ファイアスターター
 イルマ2、今回もおもしろかった! 東京湾上のガス井プラットフォームでのクローズド・サークルもの。というかそこまで孤立無援の状況を設定しないと、イルマがどんどん事件を解決してしまいそうなほど、優秀な警察官だとわかる1冊というか。副題のファイアスターターの意味が転じるのもよかった。読了日:05月16日 著者:結城充考


アリスと蔵六 8 (リュウコミックス)

アリスと蔵六 8 (リュウコミックス)

アリスと蔵六 8 (リュウコミックス)
 今回は完全にイーガンのテーマでしたね。本人と他者での理解の差と、超越知性としての差がどういう風に描かれ着地していくのか。あとは蔵六とクロエとの出会いがどういう物語なのか、かな。読了日:05月15日 著者:今井哲也


まもって守護月天! 解封の章 1 (BLADE COMICS)
 10代の頃にどうにも恥ずかしくてこそこそ読んできゅんきゅんしていたマンガの続編。で、まさかいま読んでも顔が赤くなって恥ずかしくなるぐらい繊細な感情が描かれていて、(刷り込みもあるんだろうけれど)なんともすごいことだ。ストーリーは副題の通りに進むのだろうけれど翔子の考えにあるようにこれは悲恋にならざるを得ないのではなかろうか。あとそれとキリュウは出てこないのかな。再逢のほうを読んでいなかったので慌ててネットで情報をあさってしまったぜw 読了日:05月14日 著者:桜野みねね


■うどん キツネつきの (創元SF文庫)
 小出しにされる背景情報にどきどきさせられ、巨大な絵となるラストへとつながっていく描き方として「巨きなものの還る場所」がおもしろかった。不穏さでは「おやすみラジオ」が群を抜いていたように思う。「母なる島」は『NOVA6』のほうで読んだはずなのに完璧に忘れていて、なんか似たモチーフで書く人いるんだなぁと思っていたら同じ作品で同じ作者だったみたいな驚きを得られた(どうなんだそれ)。読了日:05月13日 著者:高山 羽根子


恋は光 6 (ヤングジャンプコミックス)

恋は光 6 (ヤングジャンプコミックス)

■恋は光 6 (ヤングジャンプコミックス)
 もしかしてこれ……誰ともくっつかないパターンでは!? 次巻も楽しみだ。読了日:05月11日 著者:秋枝