スティーヴン・キングの新作『アンダー・ザ・ドーム』をゲラで読ませていただきました。3月末に担当編集でらっしゃる、@Schunag氏*1よりこのようなツイートがありまして、慌てて手を上げたわけなのです。ありがとうございました。
書評媒体をお持ちの方でスティーヴン・キング『アンダー・ザ・ドーム』(4月下旬発売)のゲラを読んでみたい、という方っていらっしゃいましょうか。いらっしゃったらDMか@つきのツイートをいただきたく。
2011-03-31 16:49:55 via web
脱出不能。破壊不能。原因不明。ある晴れた日、街は透明の〈ドーム〉に囚われた!
メイン州の小さな町チェスターズミル。人口およそ2000人。その町は突如、透明の障壁に囲まれた。上方は高空に達し、下方は地下深くまで及ぶ。〈ドーム〉と呼ばれるようになった障壁は、わずかな空気と水と電波を通すのみ。
パニックのなかで、命を落とす者が連続する。そこで動き出すのは町を牛耳る男ビッグ・ジム・レニー。警察力を掌握したビッグ・ジムは混乱に乗じて恐怖政治を開始した。〈ドーム〉のなかで、一触即発の内圧が高まりはじめる――〈恐怖の帝王〉スティーヴン・キングの新たなる代表作!!
主人公のイラク帰りの元アメリカ軍兵士デイル・バーバラことバービーを始め、読んでいると多くのキャラクターが本当に過不足なく立ち上がってきます。貼られた伏線は回収され、大きな謎〈ドーム〉がそこに在り、それとは別に愚かな人や優れた人のおかげでアクシデントがどんどん発生していきます。本当にいったいこのままどうなってしまうのだろうか、と気になって仕方がなかったです。最近は読者に考えさせるタイプのエネルギーのいる小説を読んでいたので、こういう緩急のつけ方や痒いところにまで手の届く小説を読むと、そのつくりに圧倒されました。いやもうね、とにかく面白かったんです(2回目)。上巻を読み始めて、これを単純にホラーでくくってしまうことにすごく違和感を持ちながら「おもしれぇおもしれぇ」と読んでいて「は!そうかこれがモダン・ホラーってやつなのか!」と納得しました。単語の意味を感得したってやつでしたね。エンターテイメント小説はかくあるべし、という素晴らしい教科書でした。うーん、それにしてもこんなに夢中になって小説を読んだのはいつぶりでしょうかw めちゃくちゃうまい丼物をがつがつかっこんでいるようでしたね。小説を読んだぞ、という気にさせられました。というか正直ここで何を書いても勿体ない、ネタバレになってしまうので、とにかく気になる人はぜひ読んでいただきたい。冒頭からアクセル全開ですからぐいぐい読ませられます! そうスティーヴン・キング『アンダー・ザ・ドーム』は「今まで読んだ中で一番続きが気になる小説」だったぜ!!
- 作者: スティーヴン・キング,白石 朗
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/04/28
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*1:文藝春秋でジェイムズ・エルロイやジェフリー・ディーヴァーなどの翻訳ミステリを担当されており、ガガガ文庫の諸作だけでなく『魔法少女まどかマギカ』にもノワール・スピリットを見い出される敏腕編集者さんです。また娘さんに『キック・アス』のビッグダディのように英才教育をなされております。