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すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

宮内悠介『彼女がエスパーだったころ』

読書

彼女がエスパーだったころ

彼女がエスパーだったころ

 匹目の猿、エスパー、オーギトミー、水伝、代替医療――疑似科学やオカルト、超常現象にハマってしまう人々をルポライターの「わたし」の視点を通して描くフェイク・ドキュメンタリー。 あらゆる事象の霊性を科学が腑分けしていった先に人類に残されたのは、信仰を失ったことによる自死しかないのか――。
 く自身、非難されないことを目的にずっと科学リテラシーを鍛えてきたところがあるので、例えば、下記のようなツイートを見かけたときも、そうだよなぁと思えるし、ふぁぼってリツイートのひとつもしたくなる。

が、宮内悠介は今作で疑似科学をただ揶揄することにとどめず、観察者たる主人公をその役割から逸脱させていく。そこには、ぼくもそうなる可能性があり、そもそもすでにそうなっているかもしれない、弱者によりそおうとする姿勢が描かれているように思った。同時に、そのむつかしさも。
『ヨハネスブルグの天使たち』、『エクソダス症候群』、「半地下」、『アメリカ最後の実験』、そして今作『彼女がエスパーだったころ』を通して、痛みを知る人の持つやさしさと、誠実さを感じている。これからも追いかけて行こうと思っている。
 談ではあるが、だからこそこのような分析もできるのかなとも思った。