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すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

3月のまとめ

読書

読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1710ページ

My Humanity (ハヤカワ文庫JA)

My Humanity (ハヤカワ文庫JA)

■My Humanity (ハヤカワ文庫JA)
 長谷敏司の傑作短篇集。どの短篇も、道具/機械によって進化/拡張(した/してしまった)人類が「そもそも人間性って何だよ?」という鋭い切先を突きつけられる。「地には豊穣」は文化というミームの乗り手でしかない人類を。「allo,toi,toi」は好悪という神経の発火に左右される人類を。「Hollow Vision」は自ら生み出した超越知性に翻弄される人類を。「父たちの時間」は3.11後のナイーブな問題を取り扱いながら自然現象となってしまった機械を通し、オスの無意味さを描き出すラストのビジョンが本当にすばらしい。読了日:3月29日 著者:長谷敏司


厭な物語 (文春文庫)

厭な物語 (文春文庫)

■厭な物語 (文春文庫)
 読書会用。こういう翻訳ミステリのアンソロジーが単巻で発売され、きちんと売れて続巻も出ていることと、ただ流行を追いかけただけの企画でないことが明らかなラインナップにはさすがと唸るしかない。特に(逆説的に)よかったのがランズデールの「ナイト・オブ・ザ・ホラー・ショウ」で、技巧的なすばらしさではブラウンの「うしろをみるな」を、ルヴェルの「フェリシテ」はラストのどうしようもない浮遊感が、ソローキンの「シーズンの始まり」の皮肉さはさすがだった。というか編者の方はどこにもクレジットされてないのなー。読了日:3月19日 著者:アガサ・クリスティー,モーリス・ルヴェル,ジョー・R.ランズデール,シャーリイ・ジャクスン,パトリシア・ハイスミス


好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)

好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)

好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)
 イベント用。愛は祈りだ。僕は祈る。喪った相手に届くことのない思いは読まれることを待っている物語であり、そうやって祈ることでしか描き得ないものが確かにあると教えてくれる小説だった。読了日:3月14日 著者:舞城王太郎


■放課後おわらいぶ(2) (アクションコミックス(コミックハイ!))
 まさか2巻完結とは。『べしゃり暮らし』もそうだけれど作中の笑いが実際的に読者の笑いにつながるかどうかは非常にスリリングな部分なのだなと思った。ただ女の子がめちゃくちゃかわいいので、この人の他の作品も追いかけてもいいかもしれない。読了日:3月11日 著者:高嶋ひろみ


甘々と稲妻(2) (アフタヌーンKC)

甘々と稲妻(2) (アフタヌーンKC)

甘々と稲妻(2) (アフタヌーンKC)
 新キャラも登場して賑やかに。窓を背にして会話するのがけっこうツボで、信頼関係を表してんな―って。読了日:3月10日 著者:雨隠ギド


甘々と稲妻(1) (アフタヌーンKC)

甘々と稲妻(1) (アフタヌーンKC)

甘々と稲妻(1) (アフタヌーンKC)
 喪ったものを徐々に取り戻す、その過程が実にいい。ただ当然だけれどそのものを取り戻すことはできないのだから、どうやって向かい合っていくのか。料理マンガである一方で、こういうドラマがかなりしっかりしているので読み甲斐がある。読了日:3月9日 著者:雨隠ギド


ヘミングウェイごっこ (ハヤカワ文庫SF)

ヘミングウェイごっこ (ハヤカワ文庫SF)

ヘミングウェイごっこ (ハヤカワ文庫SF)
 ヘミングウェイの幻の原稿を贋作しようとすることから宇宙的危機が招来されるSF小説。冒頭のサスペンス小説的結構と小気味いい会話がするすると読者を話に引き込んでいき、いつのまにか多世界解釈へと展開して、ラストはまったく怒涛の「ごっご」ではすまない方向へ。にしても「アメリカの国民性の男性的側面に累積的に影響を与えた作家たち」の「おれの死んだあとにはなんにも残らんかもしれんが、それでも地上にあるかぎりは、ぜったいに仕事をやり抜いてやるぜ、たとえ周囲がバカばっかりでも」という分析は的確過ぎて笑ってしまった。読了日:3月7日 著者:ジョー・ホールドマン


小僧の寿し (マーガレットコミックス)

小僧の寿し (マーガレットコミックス)

■小僧の寿し (マーガレットコミックス)
 勝田文、待望の短篇集。やわらかいタッチと大人のための物語運びとがあいまってとてもやさしいマンガだった。特によかったのが「小僧の寿し」「チビのおでん」「すいかドライブ」「ととせの鴨」「クリスマスキャロル」。そう全部だ。読了日:3月3日 著者:勝田文