ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

6月のまとめ

読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2328ページ
ナイス数:41ナイス

 6月は週に1冊ペースで小説が読めて自分の中ではかなり読めている方なんですよね。まぁということはつまり小説は書けていないということでもあるのですが!


鬼麿斬人剣 (新潮文庫)

鬼麿斬人剣 (新潮文庫)

■鬼麿斬人剣 (新潮文庫)
 勉強会用。山窩の出で異形な刀法を用いる刀鍛冶・鬼麿が師匠・清麿の数打ちの駄作を折るために、江戸から西に向かって伊賀者に追われつつ旅する傑作エンターテイメント時代小説。1話完結、ケレン味たっぷりの戦闘描写、ロードノベル的要素、野性味溢れるのに正しく一本気な鬼麿や彼に負けない魅力的な登場人物、刀鍛冶を通してみる当時性など、紙面における要素が恐ろしく緻密に組み合わされていて、精緻な時計の内部構造をのぞいている気分になる。すごい。なお冲方丁が愛読書にあげていることと表紙絵が彼に似ていることには特に関係がない。読了日:6月29日 著者:隆慶一郎


戦国妖狐 11 (ブレイドコミックス)
 今回の敵である神雲の行動原理がしっかりとわかることでストーリーに深みがました。張られた伏線がどう回収されていくのか楽しみでならない。読了日:6月29日 著者:水上悟志


げんしけん 二代目の伍(14)
 もうやめてあげてよー、斑目をすっきりさせて何をさせる気なんだよ。でも高坂の四コマのセリフが一番ぐさっと来たわけなのですよ。ああこれはかなわないなぁ。読了日:6月28日 著者:木尾士目


■STEINS;GATE‐シュタインズゲート円環連鎖のウロボロス(2) (富士見ドラゴン・ブック)
 おもしろかった! あらゆる可能性を排除しつつその選択肢へとやはり、どうしても収束していかなければならないというのは読んでいて本当に辛いものだったけれども、オカリンの奮闘ぶりに心から応援したくなった。他のキャラクターたちも掘り下げがしっかりしていてアニメとは違った面が見られてそれもよかった。読了日:6月25日 著者:海羽超史郎


めぐらし屋

めぐらし屋

■めぐらし屋
 主人公「蕗子さん」が感じるささいな出来事から過去の記憶が想起されるシークエンスだけで構成されていると言ってもいいのだけれど、じっさい確かにこういう風に日常の出来事が過去の印象深い、でもささいな思い出を引き出すことはよくあるわけで、そういう思考の流れってあるよね、となる。なるのだけれどそれだけでよく小説にできるよなと。でも石川忠司の言う「内省や描写のたぐいからそれら特有の『かったるさ』を見事消去した上で作中に存在」してはないんだよなぁ。その辺り、むつかしいところだ。なお装丁の黄色がすごくいい。読了日:6月21日 著者:堀江敏幸


■STEINS;GATE─シュタインズゲート円環連鎖のウロボロス(1) (富士見ドラゴン・ブック)
素晴らしい。ゲームのノベライズに留まらない確かな広がりがあって、アニメの補完として読み始めたので次の展開がわかっているにも関わらずすごくおもしろいし、何よりラボの雰囲気が大切にされているからラスト数ページの急転直下が辛過ぎてすごい。あと表記で凝ったことをしていてそれもいい味出してます。読了日:6月16日 著者:海羽超史郎


■灰と幻想のグリムガル level.1 ささやき、詠唱、祈り、目覚めよ (オーバーラップ文庫)
 感想はBlogに書きました。 http://d.hatena.ne.jp/KASUKA/20130616/1371392301 読了日:6月14日 著者:十文字青