ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

9月の国内SF月報

 さてさて、今月もやります、国内SF月報です。気がついたらDropbox内にこの記事のためのタグ付きtextがどんどん増殖する、そんな未来はまだですか。

 ええ、そうですね、ついに発売しました。

屍者の帝国

屍者の帝国

 発売前からかなり話題になっておりましたが、発売日の都内の喧騒もさることながら、ほんと自分のTLが『屍者の帝国』一色になってまったくもってお祭りでした。とても楽しい一時でした。誰が一番最初に読書メーターに読了登録するのかだの、ネタバレツイートに悲鳴を上げたり、Amazonから届かなくてぐぬぬったりと一冊の本でここまで色々とイベントになったのもすごくおもしろかったです。
 河出書房新社では特設サイトが用意され、「あとがきに代えて」の他に、担当編集の方の刊行までの経緯が掲載されています。さらに毎日.jpに掲載された円城塔インタビューへのリンクもありますので、要チェックですね。また9/25発売の「SFマガジン2012年11月号」にもインタビューが掲載されるとのことなのでこちらも必読でしょう。さらにファンによる『屍者の帝国』用語集も着々と作成されております。


WIRED VOL.5 GQ JAPAN.2012年10月号増刊

WIRED VOL.5 GQ JAPAN.2012年10月号増刊

 さらに今年の、2012年の国内SFシーンを包括するような特集が、上記の雑誌版「WIRED」で「THE FUTURE IS JAPANESE」と題して取り上げられています。詳細は以下リンクをば。雑誌『WIRED』VOL.5が9月10日(月)に発売、その内容は? « WIRED.jp


ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (1)

ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (1)

 そして何食わぬ顔で紹介しますが、ブラッドレー・ボンド、フィリップ・N・モーゼズによるジャパネスク・サイバーパンクTwitter小説『ニンジャスレイヤー』もついに今月刊行です。Amazonに表示されている画像が製品版になり、リンク先では他のウキヨエも確認することができますよ、ジッサイこれは楽しみ!


 そして、9/26ごろには『あなたのための物語』長谷敏司の新作『BEATLESS』が発売です。Amazonだとまだリンクがないので、コミックを2冊ほど貼っておきますが、でもこの2冊の発売も26。小説はマダー。


マルドゥック・ヴェロシティ1〔新装版〕 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・ヴェロシティ2〔新装版〕 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・ヴェロシティ3〔新装版〕 (ハヤカワ文庫JA)
 『光圀伝』が発売3日で10万部と幸先よく滑りだした、冲方丁『マルドゥック・ベロシティ』の新装版。店頭で見て、寺田克也の新イラストがすごくよくて3つ並べたくりましたので並べました。


小説現代 2012年 09月号 [雑誌]

小説現代 2012年 09月号 [雑誌]

 雑誌「小説現代2012年9月号」では瀬名秀明、上田早夕里、宮内悠介という「未来は変わる」というSF特集が行われてます。同時掲載の荒山徹「長州シックス」の扉絵も話題になっておりましたね。


ぼくらは虚空に夜を視る (星海社文庫)

ぼくらは虚空に夜を視る (星海社文庫)

 そして上遠野浩平の青春SFの傑作〈ナイトウォッチ三部作〉の第一巻が星海社文庫より復刊です。工藤兵吾くんがなんかめっちゃイケメンになっておりますが!


 10月からアフタで市川春子初連載、エレキテ島は次号再開 - コミックナタリー
 そして、『虫と歌』『25時のバカンス』の市川春子の初連載が、10/25売りの「アフタヌーン2012年12月号」から掲載されるとのこと。これも非常に楽しみです。


 そして今回最後に取り上げるのが第1回 ハヤカワSFコンテストの開催です。原稿用紙100〜800枚程度の中長編の公募新人賞であり、選考員が東浩紀神林長平小島秀夫塩澤快浩という布陣。確かにSよりもFに寄りがちに見えますが……、いやでもかなり豪華なメンツであることは確かでしょう。第4回創元SF短編賞の特別選考委員は円城塔がやることになっておりますし、年始から年度末まで、〆切で忙しくなる人も増えるのではないでしょうか。


 では、とりあえず、今月はこんなところで。次回もやれるといいのだけれどさすがにだんだんネタがなくなってきたし、先月末からやってる店頭のフェアがだいぶここで書きたくなる欲求を発散させてもらっているので、ええっと……どうなることやら!