ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

8月の国内SF月報

 前回の記事が多くの方に読まれたので恒例の記事にしてみようかと思ったのですが、来月もやれるのだろうかといまからかなり不安です。それでは本題を。


屍者の帝国

屍者の帝国

 先月も取り上げた伊藤計劃円城塔屍者の帝国』がAmazonで予約開始してます。ただ出版社のHPによると発売は8/27となっていますね。非常に楽しみです。円城塔の新作といえば、Haikasoruにて出版された日本SFアンソロジー『THE FUTURE IS JAPANESE (Jコレクション)』にて英語で書き下ろされた短篇が逆輸入的(?)に凱旋収録されています。


光圀伝

光圀伝

 冲方丁の時代小説第二弾『光圀伝』は9/4に発売予定。参考URL:冲方丁 「光圀伝」オフィシャルサイト|KADOKAWA


カラマーゾフの妹

カラマーゾフの妹

 帝政ロシア下の大江戸サイバーパンク赤い星 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)』や東欧SFアンソロジー『時間はだれも待ってくれない』などの高野史緒が第58回江戸川乱歩賞を受賞しました。本作は『カラマーゾフの兄弟』で残された謎を解決する非常にスリリングなパスティーシュ作品です。


ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)

ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)

 筒井康隆ライトノベル始めました、ということで星海社FICTIONSからはファウスト連載時に話題をさらったタイトルが刊行します。イラストはいとうのいぢ。発売は8/17です。


エコイック・メモリ (光文社文庫)

エコイック・メモリ (光文社文庫)

 結城充考の女刑事クロハのシリーズ第二弾が文庫化です。一作目『プラ・バロック (光文社文庫)』もそうだったのですが、警察小説というジャンルに、現在よりも少し進んだ情報技術に関する視点を持ち込むことで、SFの勘所を押さえた非常にスタイリッシュなエンターテイメント作品になっています。今回はご縁もあって本名名義で帯に推薦コメントを書かせていただきました。発売は8/8です。


かめくん (河出文庫)

かめくん (河出文庫)

 北野勇作日本SF大賞受賞作が河出文庫からついに復刊です。発売8/4なので店頭に並ぶのは週明け頃の地域が多いでしょうか。


 そして、ここからは駆け足で、前回拾えなかったものやニュースなどを。
 津原泰水の幽明志怪シリーズ新作の『猫ノ眼時計 (幽明志怪)』が発売。それにともなってシリーズ既刊の2冊『蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫)』『ピカルディの薔薇 (ちくま文庫)』がちくま文庫に収録されました。
 手に入りにくかった野尻抱介の『ふわふわの泉 (ハヤカワ文庫JA)』もハヤカワ文庫JAから復刊。
 惜しくも受賞は逃しましたが、宮内悠介盤上の夜 (創元日本SF叢書)』が第147回直木賞候補になりました。参考URL:宮内悠介先生『盤上の夜』が第147回直木三十五賞候補作に|お知らせ|東京創元社
 乾緑郎【映画化】完全なる首長竜の日 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)』が『CURE』の黒沢清監督で映画化に。これも非常に楽しみですね。参考URL:乾緑郎の「完全なる首長竜の日」が佐藤健×綾瀬はるか主演で映画化! | ニュースウォーカー
 また集英社文庫の夏のフェア「ナツイチ2012」にはハリウッドで映画化が決定している桜坂洋All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)』が収録されています。ライトノベルレーベルから夏のフェアに収録されるのは珍しいと思うわけです。参考URL:http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/genre/exciting.html
 長谷敏司BEATLESS』は9月発売予定ようです。参考URL:BEATLESS: 書籍: 長谷敏司 | KADOKAWA-角川書店・角川グループ


 とりあえず、こんなところで。来月もやれたらいいなー。