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すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

7月の国内SF月報:今年の国内SFはいったいどうしたんだよ。

読書

 耳の早い方はすでにご存知だろう。伊藤計劃円城塔の『屍者の帝国』の発売日が発表された。
 屍者の帝国 :伊藤 計劃,円城 塔|河出書房新社
 8/22とのことだ。ついに発表になった。これは伊藤計劃の遺稿を円城塔が書き継ぐということで、円城塔芥川賞受賞会見時にも話題になったものだ。詳しく下記記事を参照していただきたい。
 伊藤計劃の遺稿を円城塔が書き継ぐ - 大森望|WEB本の雑誌
 30枚ほどの遺稿はフランケンシュタインの技術が全世界に拡散した19世紀末をさらりと描くにとどまっていた。おそらくではあるが、屍者の労働力によって成立している世界を通して、『虐殺器官』『ハーモニー』から続く問題意識、それに対して伊藤計劃の、ひとつの解答が確かにあったのだろう、とおれは夢想している。その夢想を円城塔がどんな風に破壊してくれるのか、非常に楽しみなのだ。自分の想像の埒外から有無を言わさずねじ伏せられる、その感覚を期待して、しまっている。

The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)

The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)

バナナ剥きには最適の日々

バナナ剥きには最適の日々

 その前哨戦、などと書くとまったくそんなことはない神林長平の新作が7/6に発売になる。
ぼくらは都市を愛していた

ぼくらは都市を愛していた

 予断を持たずに読みたいので、事前に情報を仕入れることはしていない。しかし今週末に行われるLive Wire [102] 12.7.8(日) 代官山 山羊に、聞く?|神林長平「ぼくらは都市を愛していた」出版記念トーク - Boutreview Onlineshop powered by mb-s cartの紹介によれば、どうしたって『いま集合的無意識を、 (ハヤカワ文庫JA)』を受けての作品にしか思えない。休みの都合で行けないのが悔しくてならないが、なんとかhttp://www.shosen.co.jp/fair/event_t8_20120715.htmlには参加したいと思っている。
 そして、7/5には飛浩隆の「古い新作」短篇が二編載った『NOVA8』が発売。 なお、東浩紀の「クリュセの魚」「火星のプリンセス」の〈火星シリーズ〉完結編も掲載、これも単行本の年内刊行が目されている。他に文庫化ではあるが桜坂洋との合作『キャラクターズ (河出文庫)』も河出文庫に収録され同日発売。ということはいずれ『クォンタム・ファミリーズ』も新潮社から原稿を引き上げて河出文庫に収録されるのだろうか。
 アンソロジーつながりではもちろん年刊傑作選についても。
拡張幻想 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

拡張幻想 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

 収録作、受賞作、選評で勉強します、はい。いやというかこの収録作品群はすごい……(いま初めて確認しました。)
 創元SF短編賞出身者として目覚しい活躍なのが宮内悠介SFマガジン掲載の短篇も非常に好評で、『盤上の夜 (創元日本SF叢書)』も今年度ベスト級タイトル。
 さらにアニメ情報誌『月刊Newtype』にて連載中の長谷敏司BEATLESS』も次号掲載で最終回。こちらも単行本化が待たれる。
 冲方丁『光圀伝』はSFではないけれど8/31予定、短篇集『OUT OF CONTROL (ハヤカワ文庫JA)』に『マルドゥック・ベロシティ』の新装トールサイズ化まで。『天地明察』の映画もあるよ!
 Twitter小説としてブレイクしたジャパネスク・サイバーパンクニンジャスレイヤー』も今秋書籍化予定。
 京大SF・幻想文学研究会の『伊藤計劃トリビュート』の電子書籍版が販売開始にもなるし、北野勇作『かめくん』が河出文庫から、上遠野浩平『ぼくらは虚空に夜を視る』が星海社文庫からの復刊が告知された。
 これで後は飛浩隆『零號琴』と東浩紀フラクタル/リローデッド』の書籍化が来れば、おれの観測範囲だけでもほんととんでもない年になるんじゃないかと慄いている。


(で、そんないっぱい読んで、自分の原稿は?)
(そんなことだから!そんなことだから!)