2012年5月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:1708ページ
ナイス数:17ナイス
- 作者: ポール・オースター,Paul Auster,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1995/03/01
- メディア: 文庫
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読書会用に。かっこいい、そして、とてもこっけいだなと思った。ただそれがあらゆることのすべてを意味しているようにも思え、不思議な爽快感すらあった。主体と客体、見ることと書くこと――その意味でとても正統派な文学でもあったと思う。でもそれを洒脱に描くというのが、かっこいいのだなぁ。
読了日:05月30日
■ハックス! (アフタヌーンKC)
『ぼくらのよあけ』の今井哲也がデビュー作。タイトルからSFかなと読み出したらアニメ制作の高校部活もの。ものづくりの楽しさと悲しさと辛さと痛さと、この時代特有の人間関係とが絶妙にマッチしてひとつのかたちへと結晶していく。もっと続きが読みたくなる。そう思わせられた。
読了日:05月28日
- 作者: 中村明日美子
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2012/05/17
- メディア: コミック
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なにものかになるにはいびつな方法を選ぶしかない。パーソナルに撃ち抜かれるモチーフが盛りだくさんだし、何より連載時にもった感想を修正しなければならないエピローグには唸らされた。
読了日:05月17日
- 作者: 森薫
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/05/12
- メディア: コミック
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双子の乙嫁が大活躍する今回、しかし実際は森薫が描きたいものを描くことが先にあって海辺の部族の嫁入り前の準備やなんかがある。相変わらずそれが伝わってくるほどの描き込みには唸るしかないし、見ていて楽しいのだからすごい。
読了日:05月12日
- 作者: 円城塔
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 文庫
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どうして単行本で買わなかったのか、収録作を見て思い出す。8割を雑誌掲載時に読んでいたからだ。この辺りまではちゃんと円城塔というムーブメントを追いかけていたのだなぁ。言葉の揺らぎでもって既存とは異なる意味を描き出し、それが酩酊感へとつながっていく。数式とは異なる、言葉の持つ不明瞭さで実験し続けているのだなぁと思った。特に「墓標天球」がリリカルさにおいて群を抜いてよかった。
読了日:05月06日
■ママゴト (ビームコミックス)
王様のブランチから。絵と切なさが真に迫ってくるが、何よりもデフォルメされたキャラクターたちの笑顔がよい。あと映子ママは多くの優しさに支えられながら、対比として「世間」が描かれる、その辺りのバランスもよい。
読了日:05月05日