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すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

『ノルウェイの森(2010)』

映画


 観てきた。小説は高校生の頃に読んでいて、筋はもうすっかり忘れていたので特に比較することもなく観ることができた。それでも映画の中では小説のエッセンスが如実にあって、そういうシーンやセリフがあるたびに古い記憶が読み出されていく感じがあってそれはそれで得難い体験だったと思う。おれは決して村上春樹のいい読者ではない*1のだけれど、なんだかんだ言ってやっぱり残っているものがあって不思議にうれしく思った。
 その意味でおれはすごく素直に映画で描こうとしていることをそのまま受け止めたように思っていて、けどそれがちゃんと他の人にも伝わっているのかな、と少し心配になった。それは(あまり自信はないのだけれど)「愛とはどのように成立するのか」ということなのではないのか。だからこそセックスがしつこく描かれるのだろうと思うのだ。でもそうすると非常に俗っぽい話題になってしまうのがあれ、とも思う。
 あと画面として特筆すべきなのはきっと『三丁目の夕日』=「理想化された過去」的な、一回りして非常にセンスよく見える昭和60年代の室内インテリアや女性の服装ではなかろうか。いやすごくかっこよかったのですよ、生活臭がしないというのも映画の雰囲気にあっていましたしね。

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

*1:高校生の頃に『ノルウェイの森』を読んで断念し、学生になってから『風の歌を聴け』の良さに気がつき初期三部作を読んで、小説の勉強として短篇集を2、3冊読み、社会人になって断念していた『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読み終えていまに至るのである。