ブックスエコーロケーション

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『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』


 というわけで早速見てまいりました。『インセプション』も『プレデターズ』もスルーしてこれかよ、というツッコミは受け付けない。
 アクションシーン、すごくよく撮ったなぁと思うのですが、やや無意味にスロウにされているシーンがあってそこがもったいない。スロウの意味は決定事項の先送りにあります。すごく吹っ飛ぶ、とか、すごく痛そう、とかがはっきりわかっているシーンでうわやばいやばいと思わせるために、使い方をもうちょっと抑制して欲しくはありました。でもとてもしっかりとってあって、これは贅沢なお願いなのでしょうね、きっと。
 ストーリー構成の、その妙について書きたいなとは思うのですが、ネタバレになると思いますので、簡単に書くとTVシリーズのサブタイトルには使われなかったEとZのT2ガイアメモリがとてもうまい使われ方をしていて、そこからSになりJへとつながっていく。本来の意味でJが使われたのが本当にうまいなぁと思ったのでした。……これもネタバレかもしれませんねw
 照井の決め台詞や、Wの決め台詞に答えるEの台詞もよかったのですが、やはり基本にあるのは「街の仮面ライダー」ということなのだろうな、ということですね。TVシリーズもそうですが、本当にこの仮面ライダーは「探偵」という装置をうまく使っています。この映画をものすごく乱暴に言ってしまえば、すごくストレートに構成し直された、子供向けの『ダークナイト』だと思いました。*1街を守るための仮面ライダーということを、街の外からの侵入したテロリストたちとの対比できちんと描こうとしている点がとてもよかったと思いますし、それすら伏線に使い、初代仮面ライダーへのオマージュを踏まえての逆転劇へのつなげ方は本当にうまいなぁと思いました。
 レイトショーだったのですがこどもはひとりもおらず、30分くらい遅れて劇場に入ってこられる人もおりましたので、Wだけを見たい方は確かにそうされるとよろしいかもですね。

*1:でもきっとこの見方は『ダークナイト』をきちんと見れていないということになるのかもなぁとも思います。