- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2004/07/09
- メディア: DVD
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犯罪社会から足を洗い雑貨店を営むジミーと、家族と共に平凡な毎日を過ごすデイヴ、そして刑事のショーンの3人は特に仲良しというわけでもないが、同じボストンで暮らし少年時代を共に過ごした幼馴染である。しかし彼らが11歳のとき、デイブが見ず知らずの大人に誘拐され性的暴力を受けたのを境に離れ離れになる。それから25年経ったある日、ジミーの娘が遺体となって発見され、殺人課の刑事となっていたショーンがその事件の担当となった。そして事件の当日、何故か血まみれになって帰ってきたデイヴが容疑者として浮上する……。
現在、過去、そして結末へときちんと物語が展開し、らしい伏線もきちんと回収される。まったく無駄なところがない、とても丁寧な映画だった。サスペンスとしての見せ場もきちんと要所要所に用意してあり、デイブが酒場でボックス席で4人で座っているシーンなんか胃がきりきりする。だけど暴力は極力排除されているように見える。しかし仄めかされてはいる。これが恐い。この丁寧さ、あるいは丹念さは、とても勉強になる映画だった。
もちろん随所に挿入される河が、街を描き出す。アメリカの地方都市の、きっとありふれた風景の中で描かれるありふれていそうな細部が、ここまで映画としての質感を保っているのは、おそらく街を設定してるからだろう。そしてそこから脱出することが叶わない、そういう寂しさも持ち合わせている。現在の事件が、過去の事件と呼応しつつ、しかし決して現在の事件の軸がぶれることがない、というのもよかった。
これから書いてみたいと思っていた小説がここにあるようで、それでいてやっぱりここはこう描きたいな、と考えられるような、そういう映画だった。いま見て、とてもよかった映画だったと思う。
は! そうか、原作を読んでみればいいのか。
- 作者: デニスルヘイン,加賀山卓朗
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/12/20
- メディア: 文庫
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