ブックスエコーロケーション

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『第9地区』ニール・ブロンカンプ

 二度目を観てきました。今回は無事に最後まで。
 むむむ。エビをバカにもできないし、感情移入もできないし、それはヴィカスもそうで、この映画にはどこに視点を置いて観ればいいのか、と思いつつ、後半のパワードスーツの起動からは一気に引き込まれて、頭痛も収まっていた。空の色がミサイルの機動にはえる青色で、ああと目が覚めるようでした。
 エビのことも、ヴィカスのことも、感情移入できないのに、うまい具合に構成に振り回されてしまって、感情移入してしまっている。だけどなぁ、やっぱり盛り上がらなかった。きっと最初のがすごかったから、かなり警戒してしまって、それで乗り切れなかったんだろうな、と思います。なので、手放しでほめられるほど、後半のヴィカスの「奇跡」に等しい義侠心に少しも説得力を感じなかったのだと思います。なんというか状況に流されているだけで、それを見ている俺も流されているだけなんじゃね、と。でもきっとこれはマスターピースなのだろうな、という気配はします。DVDになったらもう一度見直してみます。