すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

感想まとめ

 今回も多くの方に読んでいただきました。ありがとうございます。
 浅羽くんの感想。

○いいところ
・SF的な小道具が登場し、それが今時のSF風に使われているという点は、そういったことが考えもつかないおれには素直に羨ましい。嫉妬する。
○悪しきところ
・文章は能動的だが、内容は静的。スタイルと内容とが合致していない。と、これはHが川口作品に共通する作品の欠点としてかつて指摘していたこと。
・SFである必然性は一体。と、これはT教授がかつてすべてのSFにむけて発していた質問。
・細部は具体的だが、全体的な映像は抽象的。と、これはおれの今回の感想。長さもあって、エンターテイメントというよりは散文詩的な印象が先行する。評価されるにしても、されないにしても、この部分だろう。

 朝倉くんの感想。

良かったところ
・ずっと語られずに蓄積された語り手の抱えている問題とその解決が、間をおかずに明らかにされるため強い解放感と収束感(インパクト)を受けた。
・テニスの試合で弾む球のように空間、時間の流転が行われ、二人の語り手が物語の文脈のスイッチのように振る舞うテンポは読んでいて飽きなかった。
残念だなぁと感じたところ
・『犬の世界が終わるとき』のあたりのやりとりがずさんに感じられた。『……え?』のくだりで肩透かしをもらったような感じを受けてしまった。蛇足ですが私なら、入れないか『……え?」』の挿入を『ディスプレイをつきつけた』の後に入れます。
・『キミ』の時の『司』の行動原理の説明が欠けているように思えます。すべてのキャラクタに行動原理は必要ないです。しかし『キミ』の『司』に十分な物語を与えると、終盤の『語る側の司』の行動と、導きだされる物語の終端により一層の深みを与えることができたように思えます。

 また帰省にあわせてTwitter上でクイズを出して、正答者に作品を送りつけるということをやりまして、感想をいただきました。
 id:yo32teさんの感想。

 面白かったっす。「だからどこかで、おしいものでも食べたいな」が文字通り惜しい!

 id:mizenさんの感想。

古川日出男に始まって、飛浩隆を下地に円城塔を通過して伊藤計劃と決別した!」という豪快なまとめも読んで納得。青春小説としての物語とSF設定がバランス良く噛み合って駆動してた。良かったです。しいていうなら語りの仕掛け上むずかしいとはいえ、司のキャラクターにもっと突っこんでいけないところが物足りないようには思った。あと、格闘に限らず日常的な動作としてのアクションに筆が割かれてる印象を受けました。なんていうか、語りや台詞より各々のアクションの記述が軸になって展開されている感じ。ドライな文体はハードボイルドと相性良さげなので「ハードボイルド女子高生」な次回作期待です。あ、でもあえてハーフボイルドなノリでハードボイルドをw
 んー、当時の司の思考なり嗜好にまつわる記述がもう少し盛られてると良いと思う。もしかすると語り手側の方も正体が明らかになる前の段階から内面的なものがもういくらか覗いても平気かもしれない(ちょっとここは自信ない)。引き締められた語りの抑制をもうちょっと緩めてもたぶん大丈夫で、この作品の場合は効果的かも。です。

 GG_ASさんの感想。

 1.5人称視点(?)という書き方がそのまま物語につながり(青春、を少し寝かせてから読み直す)、それがSFとして/SFによって成立する。面白かったのはもちろんですが、それ以前にまず「あ、上手い」と言ってしまいました(リアル発声したw)。ごちそうさまです!