ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

12月のまとめ

12月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1007ページ

姉さんゴーホーム (KCデラックス)姉さんゴーホーム (KCデラックス)
描かなければいけないことがあってそれが前面に、直接的に描かれてしまっている。もちろん短篇という形式では仕方がないことなのかもしれないが、ここにあるのは一瞬のきらめきではなくて露悪的なもっと別物だ。決してマジック・リアリズムと呼ぶべきものではない。
読了日:12月27日 著者:石田 敦子
セックスなんか興味ない 1 (IKKI COMIX)セックスなんか興味ない 1 (IKKI COMIX)
よいなぁ。自分に引きつけて読むのはもちろん安心したいがためでだからこそ世の中には恋愛を描かない物語はないんだな、とこのマンガに収録されている多様な物語に背中を叩かれたように思うのだ。特によかったのが「黒沢君の、カサ」と「恋愛人形」。
読了日:12月27日 著者:きづき あきら
DON’T TRUST OVER30 (KCデラックス)DON’T TRUST OVER30 (KCデラックス)
『マフィアとルアー』の「正統な続篇」として読める短篇集。『変ゼミ』の露悪的な変態さも嫌いではないのだけれど、こういう露悪的な痛々しさの方が何倍も身に迫ってくる。実は8割方掲載誌の時点で読んでいたのだけれど、学生の頃といまのおれ(25歳ワナビ)が読むのでは全然別の作品のようで、それだけおれも30に近づいているって言うことなんだろうな、と自分に引きつけて考えてしまう。おもしろかったです。
読了日:12月23日 著者:TAGRO
影の子どもたち--世界の終わりの魔法使い3 (九龍COMICS) (九龍コミックス)影の子どもたち--世界の終わりの魔法使い3 (九龍COMICS) (九龍コミックス)
細部を色々と忘れているけれど、思うに著者特有の批評性が1ほど見られないのは物語を締めるための物語なのだからだろう。それとも単におれが読めていないだけか。読み直し必須。
読了日:12月22日 著者:西島 大介
新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)
おもしろかったなぁ、と素直に言える小説でした。身につまされるほど「わかること」を巧みな構成と筆致で描いてるからとても安心して読める。特によかったのが「藪の中」の愛情の描き方と「桜の森の満開の下」のシチュエーション。
読了日:12月22日 著者:森見 登美彦
コップクラフトコップクラフト
一気読みした。これはやばい。おれの読みたかったライトノベルに非常に近い。キャラの立ち位置と関係性と、村田蓮爾のイラストがツボすぎる。なにより文章も抑制がきいていて、シーンシーンでやりたいことが明確でいて、きちんと機能している。構造や設定に無駄も力みもないねぇ、とニヤニヤしてしまう。旧版からのすばらしいブラッシュアップだ。
読了日:12月09日 著者:賀東 招二
まかないこむすめ 2 (電撃コミックス EX 119-2)まかないこむすめ 2 (電撃コミックス EX 119-2)
あらためて申し上げる。「なんで千恵子さんはうちにはやってこんの?」と。
読了日:12月07日 著者:小谷 あたる
駅から5分 1 (1) (クイーンズコミックス)駅から5分 1 (1) (クイーンズコミックス)
見せ方と伏線の回収がもう圧倒的で実験的だ。なんでくらもちふさこはずっと挑戦し続けられるんだ?
読了日:12月06日 著者:くらもち ふさこ

読書メーター

 しかしそれにしても12月は読めていないなぁ。マンガもそれなりには減らした、はず。あ、でもいまは『NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫 お 20-1 書き下ろし日本SFコレクション)』を読んでいます。『NOVA1』は短篇SFを書くための起爆剤にはもってこいなのでしつこく読んでいる。特に「自生の夢」が2009年のベストワンかなぁ、と。まぁランキングは落ち着いて覚えていたら書こうかと思っています。来年もよろしくお願いします。
 2009年の読書メーターのまとめ。
 読んだ本の数:193冊
 読んだページ数:29596ページ