すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

『天地明察』冲方丁

天地明察

天地明察

江戸時代綱吉の御世、前代未聞のベンチャー事業に生涯を賭けた男がいた。ミッションは「日本独自の暦」を作ること――。碁打ちにして数学者・渋川春海の二十年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋!早くも読書界沸騰!俊英にして鬼才がおくる新潮流歴史ロマン。

 傑作なり!冲方丁の傑作は数あれど、この作品が北極星のように不動の輝きを放ち続けることは言うまでもない。文体のサヴァイブ感が落ち着き、エネルギーが充足してストーリーテリングに向かっている。生き急いでいるのではなく武術の速歩のように力に満ちた安定した筆致だった。すでにわかっていることを面白く書く、という好例。背筋を伸ばして読みたくなる。ただ後半はちょっと史料に引っぱられた感があるけれど、それは単純に年齢的にまだ「わからない」ところを描こうとしたからでは。まだまだ伸びしろがあるって言うのだから恐い。
 あと、今回この作品は営業の方にゲラを送っていただきまして、ガストにこもって3時間一気読みで、帯のコメントを考えて送りました。で、どきどきしながら待つこと発売日前日、冲方丁のブログで結果がわかり、残念なことに採用には至らなかったのですが、後日ブログぶらりずむ黙契録の方で感想コメントを取り上げていただいたようなので、そのリンクを貼っておきます!いやぁうれしいですね。中吊り広告の方にも採用されているようなのでちょっとにまにましてしまいます。あとこれ、本屋大賞でいいとこまでいきそうだと思いますよ!