- 作者: 池上永一,前嶋重機
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2009/07/25
- メディア: コミック
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西暦2008年の沖縄。天久開放地の荒野に巨大な魔方陣が出現する。伝説の地霊『レキオス』を巡り、女子高生・米軍・天才学者・ユタが入り乱れる伝奇アクションの傑作!
あの『シャングリ・ラ』の原点ともいうべき作品が奇跡のタッグによりついにコミック化!
おそらく初版かなり少なかったのだろうか発売日には入荷がなくて、客注で取り寄せて返品保留でようやく最近入荷して奥付見たら初版でした。あれ?
うーん、池上永一ってすげぇ小説家なんだなぁw かつてid:mizenさんが『シャングリ・ラ』のコミック版をけちょんけちょんに言っていた理由がおぼろげながらわかったような気がした。
いや、絵や書き込みや演出もかなり工夫してあって、確実に情報過多であっぷあっぷとなるところを見せ場もきちんと用意してキャラクターも抜群にエロくてかわいくて、F-15とスホーイの空戦も見ごたえたっぷり。サマンサのコスプレもとても見栄えがして「おおw」となるし、ストーリーだって要所をしっかり押さえている。
だけれどなんだろうか、一瞬一瞬では確かに勝っている部分もあるのだけれど、平均してみたときの熱量が、負けているような気がするのだ。決して手を抜いて描かれているわけではない圧倒的といっていい描き込みぶりなのだけれど、小説の方で感じたあの無闇やたらに終始全力疾走オーバースピードでコーナーをぎりぎり攻め立てるような高揚感が常在しないのだ。これはもうなんというか、池上永一の小説がそういう部分で図抜けているというか、他の小説でもなかなか感じ取れない狂気のようなものであるように思う。池上永一の魅力、なのだろうなぁ。
いや正直、コミックとして読んだとき、これだけ美麗でアクションも描けているマンガなんてそうそう見ないし、もう少し大判でカラーページも再録してあって愛蔵版が出ても売れると思う。けど、なのだ。けど、足りないと感じてしまう。
おれは言うほど原作原理主義者でもないし、コミックと小説という評価軸の違うメディアを一緒くたに語る危険性についてもわかっているつもりだけれど、気がつくと比較して読んでいた。うーん、池上永一恐るべし。
あ、でも、ろみひーには期待してます。あとデニスがかわいい。ゼヂを蝶として描いてそれをデニスの髪飾りにしているところもいいんだよなぁ。