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すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

『サマーウォーズ』

サマーウォーズ完全設定資料集

サマーウォーズ完全設定資料集

 二度目のエントリ。
 えー『サマーウォーズ』は正直、誰が見てもおもしろいと思います。ぱねぇ。ストーリーはサスペンスフルだし、映像は半端ないし、キャラクターも立ってるし、アバターはかわいいし、アクションはかっこいいし、くすぐりも満載だし、世界の危機もあるし、夏の田舎の風景もあるし、高校野球もあるし、現実のそれを圧倒的に強化した仮想世界もあるし、ミリタリーテイストも外さないし、数学の人も出てくるし、ギャンブルもあるし、青春映画ではなくて家族映画だし、屋台骨もしっかり通っているから安心して観られるし、なにより泣き所もいっぱいです。ぜひ「いいもの見たなぁ」と思っていただきたい。すごいもの見たな、と。知っていることだらけなのに何なのこの知らない世界は、という感覚をぜひ味わっていただきたい。『ダークナイト』や『ホットファズ』は確かにべらぼうにおもしろいのですがちょっと過激すぎてひとにはなかなか勧めにくい。しかしこれは背筋を伸ばして、勧められます。どうぞ、観てよ、おもしろいから、約束します、と言いたくなる。すごく乱暴に言えばストーリーのしっかりあった頃のジブリ作品を、現代風にブラッシュアップして、空の青さをよりく濃くした感じ。


 で、興奮のあまりやたらとかっこつけたレビューをtwitterにポストした。それに補足しつつ以下、ここからが本題です。


 細田守監督の最新作『サマーウォーズ』は、圧倒的な肯定感に満たされている。家族、すばらしい。ネット、すばらしい。ひとの絆、すばらしい。……ただ忘れてはならないのは、そう思いたいのは他ならぬ我々であるということだ。だからこそわっけわかんない些細なシーンで不意に涙がこぼれるのだ。12:38 AM Aug 6th webで

 これは細田監督の祈りなのだろうか? 違うと思う。この映画はとても実際的だ。これが細田監督の、現実への向き合い方なのだろう。フィクションのフィクションたる力/ひとつの説得力でもって現実のよい部分を肯定する。アサガオに対する、朝日のように。12:47 AM Aug 6th webで

 細田監督は今回、『ぼくらのウォーゲーム!』では「ぼくらの」でしかなかった、隔絶のある「ぼくたちだけ」の戦争という視点を、コンテンツの圧倒的な強度を伴って拡張してみせた。わざわざ描きなおしてみせた。映画/ここ/現実にいるのは決して「ぼくらだけ」ではない、と。古いネットワークと新しいネットワークには断絶は存在しない、あるいはつながっていけるのだ、と。こういう肯定感はゼロ年代においてはとても新鮮だし、それを受け入れてもいいかな、と思えるような、そういう映画だった。
 もちろん僕のこういう感覚に、宗教に対する忌避感に似たものを感じるのは簡単だ。ついつい人に勧めたくなるのなんかその典型だとも思う。
 しかしいい加減、終末に安らぎを覚えられるほど、人生を達観するには追い咲きが短いわけではないことを、僕は理解しなければならない。
 だからこそ、細田監督の誠実さからも、『サマーウォーズ』をマスターピースと呼ぶにはまだ早いのかもしれない。この先を、ここから先をどのように描いていくのか、どうしても期待してしまうからだ。1:02 AM Aug 6th webで

サマーウォーズ (角川文庫)

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サマーウォーズ 絵コンテ 細田守 (ANIMESTYLE ARCHIVE)

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