すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

『無限のリンケージ』あわむら赤光

「ロバートさんは――無敵です」
 宇宙時代の決闘競技BTRにおいて自らのスタイルを貫いて戦い抜くロバートに、密かに憧れるサクヤだが、当のロバートはどこかとらえどころがなく、ふたりの距離はなかなか縮まらない。そんな中、ロバートのトップリーグへの昇格を懸けた重要な一戦が近づいて……第1回GA文庫大賞・奨励賞作!

 というわけでここでも書きましたが、読み終わりましたので感想をば。
 全体的にはちょっと古風な貴族流離譚といった感じなのですが、章立てがちょっと変わっていましてヒロイン・サクヤ視点の現在パートとラーベルト視点の過去パートが交互に展開されます。そうすることで後半に向けてさまざまな謎が次々に明らかになっていき、俄然続きが気になりました。たぶんそのまま過去パートから現在パートへとストーリーを展開してもこういうわくわくはあまりなかったのではないでしょうか。
 またひとつの復讐劇のかたちをとっていますが、主人公側に対して敵役がきちんと悪役をやっているのでそこまでどろどろしたものにならずに安心してストーリーの追えるように配慮されいてました。最後のどんでん返しもずらしがきちんと決まっていて、うーむ、とうなずきました。手放しのカタルシスではなく、静かに納得する感じで復讐劇に幕を下ろすというのも、配慮されているなぁと思ったのでした。
 せんむの描くサクヤがひとめで、背伸びしているクールな十代天才研究者とわかって、なおかつかわいいのもよかったです。