すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

カズオ・イシグロ『日の名残り』

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

 最高の英国執事萌え小説。スティーブンスの「品格」ある職業意識を丹念に丹念に描いていくことで、ほんのちょっとのほころびやすれちがいが、自分でもびっくりするぐらい読者を笑顔にする。ここにある満足感はそういうとても些細なものなのだけれど決してないがしろにできないものだと思わせる、説得力に溢れた小説だった。
あと気になったのはスティーブンスが仕えていたダーリントン卿ってのは実在しているんだろうか、っていうことで、そういうことが気になるぐらい、これはあったかもしれないと思わせられる小説だったっていうことなんだろうな。ジョークを練習ってもう狙いすぎなんだけれど思わずにっこりしてしまうし、うーんうまいなぁ。