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すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

『茄子 アンダルシアの夏』

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茄子 アンダルシアの夏 [DVD]

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 無駄なところが何もない、キレのある短篇小説のよう。
 ロードバイクで走ることがそのまま逃げることにつながっているのだけれど、ロードレースで故郷を走るということで否が応でも現実に向かい合わなければならない、というのがすごく身につまされるし、よかった。逃げているはずなのに決して逃げられない。ロードレースそのものの見せ方も駆け引きを中心としていて、42分という長さのなかでめちゃめちゃ手に汗握った。
 主人公はレースに勝つことで、自分に筋を通して非常にかっこよく描かれる。ただこぎ続ける、そうかそうやって自分に自信を持つことが、あるいは故郷を――あの逃げ出したくなるような青さをたたえた空をもつ故郷を、少しは好きになれるのだろうな、と思った。そうしてわれわれはそんな主人公を見て「がんばろう」と思えるのだろう、というかおれは本当に身につまされた。
 そしてエンドロールでこれが黒田硫黄の原作だと知って驚く。なんか黒田硫黄ってイメージもっとシュールなタッチ、と思っていたのだけれどすごくわかりやすいのだなぁ、とその意味で驚いた。