- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/12/10
- メディア: DVD
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で、改めて見て思った/わかったのは、ジョーカーはしつこく「人を駆動するのは恐怖だ」や「世界は混沌としておりコントロールできない」って言っているわりに、映画そのものは伏線という伏線を回収したりウィットに富んだ会話も豊富だったりで、ものすごくコントロールされているし*1、ジョーカーは人々を誘導しまくっているということ。トゥーフェイスになったばかりのデントにナースコスプレのジョーカーが滔々と言い訳しているあたりはなんというか、ああ誘導してる誘導してる、とわかる。
ジョーカーはデントをトゥーフェイスとなし、そうやってバットマンはダークナイトになっていくストーリーになるんだな、と。ノーランは、ジョーカーの存在こそが、バットマンを完成させるに必要なものである、という描き方をしている。なんだろ、そこにはヒーロー=ダークナイトはひどく哀しい存在になってしまう。そういう哀しさがあるからこそおもしろい、ということなんだろうか。でもこういうとまるで普通のヒーローもののように聞こえてしまう。そこはあれか過大評価しすぎなのか。
あと、あれ、と思ったのがバットモービル・タンブラー*2が爆散する際のせりふが「グッドラック」ではなくて「グッドバイ」だったことで、でも、つくった人/ブルース・ウェインがそう吹き込んだのであれば、自分に対して幸運を祈る/感情を押し付けるのではなくて、さようならと端的に言わせたのかなぁ、と邪推。そう考えると、彼がよりかっこよく見えるというだけなのだけれど……、とひとりで納得してました。