ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

テレビとJ-POP

 必要があってここ最近、EXILEを聴いたりDVDを見たり動画を漁ったりしていたのだけれど、気づいたことがあるので書いておく。
 wikiによれば彼らは「J-POPとダンスパフォーマンスの融合を目指した7人組のヴォーカル&ダンス・ユニット」であるという。歌と踊り、これは実にプリミティブな要素で構築されていると言えるだろう。
 歌と踊りが概して不可分である、ということは未開狩猟民族のそれを想像してもらうこと*1で説明を省略するが、歌と踊りは道具を必要としない*2、おのれの身体のみをもって構築される、ということが言える。
 もちろん楽器と同様に、歌にもスタイル/様式が存在しており、そういう部分を聴いて楽しむという側面がある。
 しかし、彼らにおいては踊りを見せるという部分も重要であり、映像が、ひいてはテレビへの露出が多くなるのではないのか、ということだ。映像として音楽を見る際に、ただ楽器の演奏を見せられても特異なパフォーマンスを行わない限り、そこにはCDと聴くことと大して大きな違いは存在しない。しかし特異なパフォーマンスを、つまり歌と本来不可分であるはずのダンスを売りにしているということで、必然的にテレビへの露出が増えるのではないのか。あるいはこちらの方が正確な言い方かもしれないが、テレビであるからこそ、歌だけではなく踊りも、ということなのかもしれない。
 もっとも日常的で当たり前で簡便なテレビから流されている、プレーンな歌とプリミティブな踊りが、地方のヤンキー文化=テレビによる情報に頼るしかない文化へと浸透していったのはひどく当然のことではないのだろうか。その意味で、なんだか情報の間口が狭いところは、本当に狭いのだなぁと思った。

EXILE EVOLUTION

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EXILE LOVE(2DVD付)

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*1:ソフィスケートされたイメージとしては古川日出男サウンドトラック』のヒツジコを想像してほしい。

*2:その点で、THE IDOLM@STERには身体性から切り離されたダンスの可能性が見い出されていて興味深い。