ブックスエコーロケーション

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『奇蹟の表現』結城充考

奇蹟の表現 (電撃文庫)

奇蹟の表現 (電撃文庫)

 ガジェットSF+北方謙三風ハードボイルドの良作だ。デビュー作のほうがこだわりが出ていて、昨今のライトノベルっぽさに毒されていないものが多いのかもしれない。
・主人公は家族を失っており、失ったものの象徴として自身をサイボーグ化している
・過去があって現在が侵食される
・失ったものと似ているものを取り戻すために主人公は侵食に立ち向かう
・過去は繰り返されるが、別の処理によって違った、同じでありながら違った結末が提示される
・未来ではあるが一度文明が崩壊しているようであり、技術水準はあがっているが文化水準は後退している
・派手な戦闘シーンは最後までとっておく。基本は交渉と会話。