おお、これは久々に骨太だ。シュピーゲルは疾走感を売りにしているからなのだけれど、どうにも表層をなぞってそれだけでおもしろい、って感じがあってちょっと飽きてきたかなぁと思ってた。
でも『ばいばい、アース』は各種族や世界の成り立ちに関して、その背景を想像させる余地がちりばめられていて、かなり奥行きがある。その情報量の多さと奥行きが、読者の世界構築欲を満足させるのだなぁ、と、久々におれも世界に萌えるぜ、って感じになった。謎、謎、謎って感じが連続しつつ、目の前の戦闘を潜り抜けていく。
あとはルビがいいね。オズ・ネタとかアリス・ネタがこれからどう生きてくるのかも気になるところ。
ばいばい、アース 1 理由の少女 (角川文庫 う 20-1)
- 作者: 冲方丁,キム・ヒョンテ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/09/25
- メディア: 文庫
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