- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/02/19
- メディア: 雑誌
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実際、その描き方も見せ方も、実にセンスがいい。身体の伸びやかな動きや今時の軍装を描けているのもあるのだけれど、なによりもおもしろいのが未来/平行世界であるにもかかわらずそのディテールが我々の世界とどうにも地続きであると感じさせられる説得力を持っていることだ。地名であったりラッセル車の使い方であったり。もちろんこれはマンガでフィクションで嘘なわけだけれどもこういう書き込みの厚みが、「ありうべき未来の東京」を描き出しているというのもおもしろい。女の子がかわいいのもいいし、おっさんに太ったおっさんに定年間近のおっさんというおっさんオンパレードもなかなかいいセンス。女の子に鼻血を出させて決して陰惨な描き方にならないのも「安心」して読める。たぶんこういう作品をウェルメイドっていうんだろうなぁ、と。
キャラの描き方もさることながら、物語の構造、大きな謎としての城壁都市への反抗という図式を個人ではなく、企業という中間領域で描こうとしている点も興味深い。描かれる視点の位置が低いというのも、いいですね。
まぁ『皇国の守護者』からの「おれはこんなおもしろいマンガを知ってるんだぜへへへ」系読者さんがいっぱいついてらっしゃいますから、そこはまぁ連載は放っておいても始まるのでしょう。これでウルジャンも読むものが増えましたな。