ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

『きのう何食べた?』1

きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

 これがおもしろいって言われている理由、まさか料理へのペダンチックさにある、とか言わないよね?おれ、料理のパートがんがん飛ばして読んだのだけれど。。。『もやしもん(1) (イブニングKC)』とかも、そういう部分がある種のウリになっているのはよくわかるのだけれど、だいたい飛ばしてしまう。だからそのペダンチックさが成功しているのかどうかは、わからないんだよねぇいつもさ。いまは、なんか調べればすぐにわかるじゃん、とか思ってしまうから、余計のだろうけれど。うーん好き嫌いで技術の巧拙を語るのはよくないのだけれど、このあたりのペダンチックさが人に受ける理由から考えて、理解しないといけないのだろうか。うんちくという行為にとりついている鼻持ちならない腐臭が、おれは嫌いなんだよなぁやっぱりさ。でもまぁ、使うこともあるのだろうから……あーめんでぇーな(笑)。というかおれもどうせ自然に使っているのだから…仕方ないのか(笑)。
 ただ安心していいのは、というか巧いナァと思ったのは、料理中のうんちく、というか作業工程みたいなのは全部主人公の「思ったこと」ととして、心の言葉で描かれていること。まぁでも、ここでちょろちょろ出される、彼氏への気遣いがかなりいいんだよナァ。
 そう、おれがおもしろいと思ったのは、主人公の「対面を気にする」という感覚がちゃんと表現されているとこ。なんというかそういうナイーブな部分をきちんと描けるというのが、おれにとっての巧さになるんだなぁとも。だからやっぱりどうあっても『大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))』は認められない。だってみんなみんな喋りすぎだもんw あとネタがありきたりすぎるし、その解決も普通すぎて、よしながふみ少年マンガへの挑戦したことはよくわかるのだけれど、決してマンガの先へと挑戦しているようには見えないからだ。まぁだからこそスマッシュヒットなのだろうけれど。
 あ、あと、この物語は決して料理マンガではないんですよ、なぜか敬語。ゲイと弁護士と料理、そして人と人の関係についてのマンガです。読後、おれはここまでいままで相手のことを考えてきたか?とついつい自問自答させられました。まぁやっぱりというか、おれはそういう自分のことを考えさえてくれるような作品が好きなのですよ。どうしようもないほどの、自己愛。ひとりセカイ系。うん、でもまぁ仕方ない、とひとり決断主義