すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

『でかい月だな』

でかい月だな

でかい月だな

 大好き。さいこー。いろいろと考えさせられた。どうあってもBL方向へシフトしかねないキャラクターの関係を、先手を打って作中人物に説明させてしまい、BLとはまた別の関係性と変換させているのはなかなかどうして奇妙な友情関係でおもしろい。他者との関係性を綿密に書いていくだけでこれだけの物語ができるか、と思った。すげぇ。
 けど、まぁ、おれはバスケや足の怪我なんかに猛烈に感情移入しているせいで、なのかもしれないですが、おもしろく読めたのも。
 あと「キャラバン」の設定とその説明のさせ方はどことなく神林長平っぽくて良し。「そうそう、そういう異星体いそういそう」って感じで受け入れられるっていうか、そういう風に提示してくるってことはそれだけ水森サトリがSFを読んできている/読み慣れているといことなのか。理解/無理解へのガジェットとしても見事に機能しているのがすばらしい。「目の前を魚が泳ぐ」というイメージも表紙とあいまってとてもいい「絵」になっている。
 次作が出たら買おう。にしても、デビュー作とは信じられないクオリティだったな。