さいこー。動きのある乙女が乙女で乙女なわけです。でもそれはファンタジーの、乙女。抽象化された、だからこそわかりやすくうけいれやすい、どこかリアルな女の子がそこにいます。
なんだか
荒川弘のノリがいまいち
武侠ののりとあっていないような。ギャグ時の崩し方はあいかわらずだから、なんだか違和感が。つーか手前味噌で描いているような……。
それでもこっちは徐々に国家全体を巻き込んでの大きな謎が解明されるわくわく感が次も読もうという気にさせる。だからといって兄弟がこれからどうなるが、興味はもうちょっと、もてないのだけれど。
パッと見、表紙はコミックというかCDジェケットで見つけるのが大変だった……いやかっこいいですけれどね。このあたり上記の漫画なんかとはあえて一線を引いてますよーという部分がわかっておもしろい。マンガ・アニメ的リアリズムで描かれたキャラクターの、徹底した傍観者を設置することで戦争への距離をとる。つーか軍人でありながら戦争せず、オナニーしかしていないあたり、主人公は読者のメタファーであることは容易に想像できて、でも鼻につかないのは、主人公が年齢に比べて幼くガキであると表現されているからか。
ベトナム戦争は子どもの戦争という意味がこれからどれほど利いてくるのか。庇護者が死んだときに、主人公がどのような立場へ変化するのか、それはプランセスへの心情変化もともなうのか、次回もたのしみだ。一番感情移入したのはインディアンの回。やられたーおれも覚悟が足りているのかしら、その場の現実と闘えているのかしら、と考えさせられた。