すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

『秒速5センチメートル』

秒速5センチメートル 通常版 [DVD]

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 最初の感想はここ。
 今日で三回見たことになるのだけれど、もしかしたら新たな発見をしたのかもしれない。
 主人公は、ヒロインとキスをした瞬間、「茫漠とした人生」とかを感じたらしいので、深宇宙のほうへ視点というか思考がぶっ飛んでしまって、ほらなんていうのかな、恋愛なんていう世俗的な、生きるっていう苦行めいたことがどうにも辛くなってしまって、視線はつねに深宇宙へ。だから、あの主人公はキスの瞬間から、こっちの世界じゃなくて、あっちの世界へ解脱して、超越知性体と演算合戦、あるいは推理合戦を繰り広げているのではないのでしょか。だから、2話の「コスモナウト」のラッセン的夢背景のシーンは、かれのインナースペースにできあがった「ぼくたちの初恋の不可能性に関する物語」、つまり多元宇宙の、そのひとつではないのかと、思ってしまうわけです。


 まぁ、意図的な誤読ですが。
 そしてこんな誤読をしてあげないと、どこにも見るところが、解釈の余地が、まったく、これっぽちも存在しない、ある種読者にやさしすぎる/馬鹿にしすぎている作品と断じるだけになってしまうのが悔しいぐらい、高いDVDだったなぁと思ってしまうわけです。