すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

『機動戦士ガンダムSEED C.E.73-STARGAZER-』

機動戦士ガンダムSEED C.E.73-STARGAZER- [DVD]

機動戦士ガンダムSEED C.E.73-STARGAZER- [DVD]

 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のアナザー・ストーリーとしての戦いを描き、インターネット配信された『機動戦士ガンダムSEED C.E.73-STARGAZER-』。そのSTAGE1からSTAGE3の本編に加えて新たなエンディングを加えたものをDVDとしてリリース。ザフトのテロリストによるユニウスセブン落下事件により、世界各地で地球連合ザフトの争いが激化していた頃、DSSD(深宇宙探査開発機構)は新型モビルスーツ“GSX-401FWスターゲイザー”を深宇宙へ旅出させるべく実験を重ね続けていたが、そこにもコーディネーターとナチュラルの確執の余波が……。監督は『SEED』シリーズの絵コンテを担当した西澤晋。前2作のTVシリーズよりも大人のキャラクターをメインにしたアダルトなタッチが好ましく、落ち着きのある宇宙への夢と戦いの悲劇の妙も新味。中篇ながら味わい深い佳作に仕上がっている。スターゲイザーはメカではあれ、まだ兵器ではないのだ。(増當竜也
 監督:西澤晋/脚本:森田繁/キャスト:セレーネ・マクグリフ;大原さやか/スウェン・カル・バヤン;小野大輔/エドモンド・デュクロ;中田譲治

 兵器として描かれるMSや視点の低いジン・サージェントと戦車の戦闘シーンが「画期的」に見えてしまうSEEDサーガのひとつ。
 ようやく「社会」が描かれる物語になっており、宇宙の恐さや兵器としての骨太さが丁寧に描かれているのが本当に好感触。つーか社会にコミットした部分を描かないとどうにも底が浅く見えるわけで、そのあたりを描くことのできなかった後期SEEDやSEED運命がだめだめなんですがね。
 ガンダムというブランドが描くべきなのは、キャラ萌えだけではなくて戦争や兵器を通してみる「社会」という側面が絶対に必要となってくるのではないのか、と強く思うわけです。
 でもだからってこの作品が優れているかといえば、そうでもないのです。SEEDや運命で使われてきたモチーフを演出と視点の違いによって見事に差異化している、という点ではかなり好感が持てるのですが。モチーフそのものはもう無駄に消費されつくしており、手垢がつきまくっていてそろそろ劣化が激しいものになりつつあるんですね。
 しかしその点、中田譲治の演技には相変わらず目をみはるものがありまして、Aパートのできは恐ろしくよくて、SEEDの世界と彼の世界とを両方見事に描き出していると言えます。なにより彼の信念がこの物語の通奏底音となり、物語の駆動させているのがまたにくい演出です。
 つーか木戸銭払って観るもんですから、テレビシリーズと比較するのはあんまよくないのかもしれませんね。でもしっかりと力の入ったいい作品で、なんだSEEDでもいいもんつくれんじゃん、と少し見直しましたね(笑)。