上遠野浩平が講談社ミステリーランドで新刊を出すのは知っていたのですが(北村薫も出すみたいですけど)、どうやら配本が遅れているようですね。
書店員の異常な愛情さんよりの引用です。
久々に上遠野浩平なのだが。 - ほわいそーしりあす::ヴァンガードメモ帳
上記『SFが読みたい!』の「SFとライトノベルは共存できるのか?」という対談でも触れられていましたが、上遠野浩平の徳間デュアル文庫から出ている《ナイトウォッチ》三部作はほんっとうに最高です!KAUSKAも上遠野浩平の著作は高校の頃から全部読んでいますが、彼の作品の中で、かの三部作を超える作品にはいまだ出会ったことはありません。もちろん『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」 (電撃文庫 (0306))』のすばらしい青春小説テイストや『冥王と獣のダンス (電撃文庫)』のクールな異能者戦闘とかも忘れてはいけませんが、上記三部作、特に一作目『ぼくらは虚空に夜を視る (徳間デュアル文庫)』の、最高にかっこいい青春と戦闘物を兼ね備えたバランス感覚はもう鳥肌物です!
ですが、3・4年ほど前にどこかのインタビューで読んだのですが上遠野浩平は《ナイトウォッチ》三部作や《事件》シリーズなどがあまり評価されなかったとぼやいていました。だからKASUKAにはここ2・3年の上遠野浩平が嫌いでした。原点回帰ならぬ劣化コピーのような力の抜けた《ブギーポップ》シリーズや《しずるさん》シリーズや《ソウルドロップ》シリーズを書いてお茶を濁しているように思えて、辛抱強く読みながらもついついそう感じてしまうのです。
そこで、上記の講談社ミステリーランドからの新作です。この、講談社ミステリーランドはミステリィにそんなに詳しくもないKAUSKAでもわかる名編集者、かの宇山日出臣さんが立ち上げたレーベルです。そこで上遠野浩平の新作が描かれる。ねぇこれは期待したいじゃありませんか。力を入れて欲しいじゃありませんか。もうあれだけ売れたのだから上遠野浩平にはもっともっと実験的で攻撃的でアグレッシヴで既存の枠組みをぶっ壊した、読んでおもしろい作品を期待したいのです。いちファンとして、同じ物作りをする人間として。
だからこの配本遅れも、いいものを作っているのでは、とKSUKAは期待しているのです。
《ナイトウォッチ》三部作
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禁涙境事件 ”some tragedies of no-tear land”
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